今まで一度も耳にした事もない
恐ろしい叫び声に、
私の体はまるで瞬時に凍てつき、
そこに ただ立ちすくみ、
怯んでしまった
そして私は無意識に後ずさりした
その部屋に入るなんて、
絶対に無理だ
ただただ、
何もできない無力な自分は、
途方に暮れるだけだった
昨年10月に大腸がんが発覚、
そして既に肝臓、肺に転移していた
ステージ4のお義兄さんG(ダンナの姉の夫)
その後、大腸がん摘出手術を受け、抗がん剤治療や、がん遺伝子パネル検査の結果に基づいた最も効果的な免疫チェックポイント阻害薬による大変高額な治療も数ヶ月受けたものの、
残念ながら期待する効果が全く得られなかったようで、がんはGの身体をどんどん蝕んでいく。
今年3月初旬の娘の婚約式には、初めての経験で未熟な親である我々に代わり、色々取り仕切ってくれたG。
たった5カ月前はまだこんなに元気でした
イギリスに旅立とうとしていた息子のセゼロフ(あだ名)に会いに、その前夜 我が家を訪問してくれたのが、たった1か月前の6月28日。
その時の様子は、気分が優れないようではあったが、まだ普通に車を運転し、歩き、我々との会話にも興じる事ができていた。
7月初旬 体調を崩し入院、2-3日で安定したので一旦退院するものの、
すぐさま病状が悪化し、7月10日(水)の定期健診予約日を待たずに9日(火)に緊急入院、
その後、日に日に病状は悪化の一途を辿る。
体重の著しい減少、食事も全くとれなくなり、血中酸素飽和度が80台で酸素マスク、腹部及び手足の浮腫、不眠、そして背中と腰など背面の痛み…
義姉の誕生日を病室で一緒に祝う
そして…
入院後、2週間が経過した一昨日21時頃、
毎晩見舞いを欠かさない我々は、
その日もいつもの様に仕事の後、
家族で病院に行く。
ドアの前に立った時、
そこで初めて、義兄Gの、
激しい痛みに のた打ち回り、
絶叫するのを目の当たりにした。
今まで我々は偶然、薬が効いていて痛みが上手くコントロールされていた時にいつも、たまたま訪問していたようで、
まさかここまで壮絶で酷いものとは
全く知らなかった
普段とても寡黙な人が、これほどの絶叫、、
よほど凄まじいものなんでしょう、話には聞いたことがありましたが…
放心状態の私は、声すら出なかった。
後からお義姉さんに尋ねたところ、
毎日の様に こんな痛みがあり、
(モルヒネ等麻薬系の) 鎮痛剤を酷い時には1日3回投与されているのだ、と。
もうきっと 骨にまで転移してしまっているんでしょうね。
先日も、あまりの壮絶なる苦痛に、
俺が、今までの人生において 一体何の罪を犯したというのか、
何故俺がこんな罰を受け、
この痛みを味わわされなければならないのか、
と、激しい痛みが薬でなんとかやっと立ち去ってくれ、
力尽き崩れ落ちた時に、嘆いていたそうです。
神様なんているのかな、
もし いるのなら、
どうか Gを助けてやってよ
もう命なんてどうでもいいから、
こんな断末魔の様な激しい痛みだけは二度と勘弁してやって
誰か、
鎮痛剤でも鎮静剤でもなんでもいい、
とにかくこの凄まじい痛み、
取り除いてあげてよ
追記-1:
私も父を胃がん➞その後全身がんで無くしていますが、
父には…
こんな壮絶なる痛み、ありませんでした。
なんと幸せな人間だったんでしょう、父は。
癌を患う多くの方が、こんなに苦しんでいるなんて、、
全く知りませんでした。
涙が出ます。
追記-2:
お義姉さんは、Gがステージ4のがんだと診断された時からずっと抗うつ薬を処方されており、今は最も強いものを服用しているそうです。
さもなければ、自分の夫のあの痛みを直視し、付き添い、サポートをすることは精神的にかなり厳しいと思います… 私にはとてもあれに対峙する勇気がありません。
追記-3:
免疫チェックポイント阻害薬、義兄の服用した薬の種類は存じませんが、10日間で飲み終えてしまう薬一箱 54,000トルコリラ(≒25万円)、それが ひと月3箱要るという事ですから75万円/月という恐ろしい額です。保険はききません。(訴訟を起こし認められれば払い戻しを受けれる場合もあるそうです)2、3ヶ月程この治療を受けていたと思います…
(ざっとこの薬代だけで225万円…)
追記-4:
昨晩訪問した際ですが、なんと驚く事に、顔色も悪くなく、本人は普通にベッドに横たわり、リモコンを片手にテレビを観ながら我々と会話ができていたので、大変喜んでいたのですが、ふと、もしかしてそれは 中治り現象 (Last Rally:死期が迫っている人が一時的に元気になる状態)ではないのかと不安になりました、、そうでない事を祈ります。
追記-5: <モルヒネ>
アヘンから生成される麻薬性鎮痛薬。ケシから採取されたアヘンより生成されるアルカロイドの1種。
オピオイド鎮痛薬として、おもに鎮痛目的で用いられる。医療用麻薬でもあり、鎮痛作用は強力である。
とくに持続する鈍痛に効果が高く、一般的な鎮痛薬が効きにくい内臓痛をはじめ、各種がん痛や手術後にも適応する。
有効限界がないのも特徴で、より強い痛みに対しては用量を増やすことで対応可能。
モルヒネは、
自然界が人類に与えた最高の鎮痛薬
この世にモルヒネがあって、心より良かったと思う
https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/treatment/acha/index.html
<抜粋>
トイレやゴミ置き場など、不快な臭いがするところでは息を止めたくなりますが、しばらくそこにいるとその臭いにある程度慣れてしまします。大きな音やまぶしい光、非常に辛い味なども同様であり、多くの感覚には順応性があります。
しかし、痛みは例外です。例えば皮膚に一定の強さで針を刺すと痛みを感じますが、これを何度も繰り返しても慣れることはなく、むしろ痛みは増強していきます。痛み刺激に対し順応性がないのは、生体を危険から守るための警告信号であるためと考えられています。熱いものに手が触れたとき、熱いと感じ無意識のうちに手を引っ込めることにより、大やけどをしないですむわけです。
先天性無痛覚症のように生まれたときから痛みを感じない患者さんは、身体中けがや火傷だらけで、これらが原因となり多くは成人になる前に亡くなってしまいます。このように、痛みは私たちにとって実は必要なものなのです。
しかしがんの患者さんにとって、痛みは不必要なものといえるでしょう。目覚まし時計がなることにより、朝起きられるのですが、起きた後もアラームが鳴っていては困るのです。痛みは警告で、これにより病気や体内で起こっている変化が分かるのですが、がんが原因とすでに分かっている状況では、この警告はもう必要ないのです。
つまり、がんの痛みを軽減してあげることが患者さんのストレスを少なくし、ひいては生きる希望を持つことにつながるのです。
がんの痛みとはどういうものか
がんはある程度進むと痛みが発生し、末期には約7割の患者さんが主なる症状として痛みを体験し、その約8割は激痛であると言われています。
また、がん自体が臓器などに浸潤したことによる直接な痛みのほか、手術、放射線治療、化学療法などの治療に伴う痛みや入院生活中におこる筋肉痛や褥瘡なども広い意味でがんの痛みといえます。
これらの痛みに対して、はじめは麻薬でない鎮痛剤や鎮痛補助剤で効果が得られますが、多くの場合、病状の進展と共に痛みのコントロールが難しくなっていきます。このような場合、モルヒネ等の麻薬が使用されたり、放射線療法や抗がん剤療法が行われたり、神経ブロックが行われます。
ではでは~
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