~あなたの知らない世界~
知らない人は知らない 知ってる人は知っている~痛風の世界~
私が最初の発作に襲われたのは30歳になったある夏の日のことだった。
やけに右足の中指が痛い、捻挫したんだろうか?いや、何処にもぶつけた覚えはない、これはなにか悪い病気の前触れかもしれない・・・不安に駆られ整形外科の門を叩く。
「う~ん?なにかな~?レントゲンも異常ないし捻挫してる様子もないし。とりあえず血液検査するからまた明後日来なさい」
二日後・・・
「あ~、“あ”君か。え~とだね、こんなもの、痛風だよ、痛風。尿酸値が12もあるじゃないか、普通尿酸値が7以上あったらいつ発作が出ても当たり前なのに12だよ12!!痛風、痛風。お前さんこんな若さで痛風の発作起こしてちゃしょうがないよ!!薬だしとくから、また1ヶ月したら血液検査に来なさい」
こうして、私の痛風人生が始まった。
以来、21年 発作を起こすこと二、三、四、五、六、七、八回・・・忘れた・・・
発作 それは突然やってくる ふと目が覚めると足の指、あるいはくるぶしなど足の関節に違和感を感じる
発作 それは長期間欠勤の始まり
発作 それは痛みの始まり 痛みにより何日間か眠れない夜をすごす
♪眠~れな~いよ~ると雨の日には~、わす~れか~けて~た~、痛みがよみ~がえる~♪
発作 それは痛みが引くとすっかり忘れて治った様な錯覚をおこす
発作 それは薬で抑えるより方法がない
発作 発作 発作・・・
私の発作で一番強烈だったのは二回目の右足中指で起こった
ある日の午後、昼寝を少しして起き上がろうとしたとき右足に痛みを感じた わずかだが中指が腫れて赤くなっている 恥ずかしがっているわけではなさそうだ
よく見ると、その赤くなった部分からなにやら白いブツブツとしたものが見える 指で押さえてみる 背筋から脳天にかけて激痛が走る
ヤバイ・・・発作だ・・・そういや薬、一週間飲むの忘れてた ま~あどうしましょ、どうしましょ、どうしましょったら、どうしましょ などとふざけている場合ではない
1時間後 歩けない・・・ 痛くて歩けない 右足の甲全体が3倍に膨れ上がっている 大急ぎで女房に行きつけの整形外科に連れて行ってもらう
「なんだ、なんだ!!薬飲まなきゃだめじゃないの!ちょっとそのベッドに横になりなさい」「うわっ、こりゃヒドイ!!」「尿酸結晶が皮膚を突き破って出てきてるぞ!!」「おい、注射針持ってきて」看護師に命じる「そんな細い針じゃダメだよ、一番太いヤツ持ってきて」
ブスッ、ブスッ、ブスッ 2度3度 私の腫れた右足中指に情け容赦なく針を突き刺す 体がよじれる、痛みが脳天を突き抜ける、おしっこちびりそうになる
その後、私の白魚のような中指を先生のオニヒトデのような無骨な手が思い切り押し潰す 「ほれ、ちょっと、看護師!!みんな見に来て見なさい これ、これが尿酸結晶ですよ 真っ白でサラサラ こんなもの研究室でもめったに見られませんよ」
4~5人の看護師私の中指を覗きこみながら「ほぉ~ へぇ~ うわっ、すごい!!」
わたしゃ、動物実験のサルかよ・・・
こんな屈辱・・・こんな痛み・・・もう二度と痛風発作なんて起こすものか!!とは思うが・・・
♪もう発作なんておこさないって 言えないよ 絶対♪
~あなたの知らない世界~
知らない人は知らない 知っている人は知っている~痛風の世界~
今日の一曲
Foreigner Waiting For A Girl Like You