ある時から
私の身体はどんどん空洞になって
ある日私は
スポンジになった
それは多分ちょうど
彼が私に見せたくない彼を
見せてしまったであろう時から
彼が感じたその大きな痛みが
私に届くとき
衝撃を和らげるクッションとなるように
人との関わりの中で
私を貫き兼ねない鋭い刃さえも
その空洞の中をすり抜けていくように
私を守るために
神様が私を
スポンジにしたのだと思った
でもスポンジは
左からくるズシンとした重さも
奥深くに届く優しい波も
全部を吸収して
何も感じさせてくれない
頼りなく所在なく
ある人が
教えてくれた
スポンジは
私が感じる衝撃を水分にして
たくさん吸い込んでいるんだと
吸い込んだ水分を涙にして
何度も何度も絞っていくと
きっと養分だけが残っていく
スポンジの気泡の
空洞の全てが
養分で埋められたとき
ふわふわとした
柔らかさだけをそのままに
たくさんの養分を蓄えた
私の身体はスポンジではなく
いったい何になれるのだろう