問題。
「この世の中で最も難しいものは?」









おそらく回答は人それぞれ。
その人によって回答は全然変わると思うし色んなものが出てくると思うからぜひ皆さんに聞いてみたい。
その理由まで。





ちなみに僕の答えはこれ。









「他人の考えや想いを理解すること。
相手の考えや感情をコントロールすること。」







 


コントロールって言葉が適切かどうかは分からないけど、細かく噛み砕いて言うと「自分の思っていることと、相手の思っていることを擦り合わせて、お互いの考えや気持ちを認識して、お互いが納得いくような答えを出すのが難しい」っていう意味。



今、ありがたいことにスポーツチームでトレーナーをさせてもらっている中で「組織」の中で活動をさせてもらっている。


「組織」で生きているということはそれぞれの立場や役職があってそれぞれに必要とされている仕事をしていて、やってることも同じじゃないからもちろん考え方も違う。


というか、そもそも人間は1人1人考え方が違う。
たまーに似てる人はいるけど100%完全に一致する人っていないと思う。
全く一緒ってそれたぶんドッペルゲンガーとかだから会ったらヤバいかも。








僕はどちらかといえば他人に合わせられるタイプだと思う。


自分で思う自分のいい所は「素直に相手の声に耳を傾けて意見を取り入れて自分なりに噛み砕いていくことができること。」だと思う。


 もう少し短くすると「素直な所」


でも時にこの自分で思う自分のいい所が仇になって悪い方向に進むことだってある。



昔、トレーナーをしていてこんな経験がある。


とあるケガをした選手。
もうすぐ大事な試合を控えていて、その選手にとっても大事な時期。
チームとしても大事な戦力の選手。


そんな中、病院のドクターから告げられたのは「手術をした方がいいと思う。」


このタイミングでこの言葉。


どんなに重いウェイトトレーニングをしていてバカデカい筋肉を持っていても持ち上げられないとんでもない重さの言葉。


もう少し詳細に言うと、手術をしなくてもプレーは出来るけど患部がもうボロボロ。
次いつまたケガしてもおかしくないし、下手したら選手生命終了の可能性もある。
だから、ドクターからしたらすぐに手術をオススメすると。


これだけ聞いたら「いや、手術して次に備えようよ」ってなるし、僕も実際そう思った。


けど、その人にとっては違って「次」なんて甘い考えは無かった。


いつ自分が終わるか分からない世界で、今の立場とか自分が今まで抱えてきたケガを考えると次があるか分からない。


手術をすれば約半年くらいはプレーができない。
そうなればシーズンはほぼ終わり、残すは大会が1つくらい。
そうなればチームから来年も必要とされるかどうかも厳しい。


さぁ、困ったぞ。
僕の良い所は「素直に相手の声に耳を傾けて意見を取り入れて自分なりに噛み砕いていくことができること。」


僕の中の天使と悪魔が戦う。


「選手の膝を考えて選手生命を第1優先に手術だろ、そしたら最後の大会くらいは、ほぼ確実に出られるし、それこそまたケガしたらもう終わりだぞ!」


「待て待て、でもここで手術したら最後の試合以外のほとんど出られないし来年選手としてこのチームから必要とされるか分からないんだぞ?
ケガしても終わりだけどどっちにしろ出来なくなったり必要とされなくなるとするなら今、燃え尽きた方がいいだろ!」



ん?


どっちが天使でどっちが悪魔?
口調がどっちも悪魔なんですけど。
 

どっちの道を選んでも選手にとって地獄じゃない?


どっちに進んでも修羅の道。
普段は感謝することが多いけど、たまーに神様を恨む。
「どんなタイミングで何してくれてんねん、シバき倒すぞ」って。


まあそんなこと言っても神様の逆鱗に触れるだけな気がするから「この壁何とか超えなきゃ」って前向きに闘うとして。



結論、僕らが出した答えは







 






「手術はしない。
このケガを抱えながらシーズンを闘う。」











と、同時に僕も覚悟を決めて、トレーナーとして走り抜けられるように最大限のサポートをしてケガをしてどんな形になっても終わりまで、終わってもサポートを続けると。
僕も同じ重り、同じ覚悟を背負います。と。


この決断が正しいのか、トレーナーとして正解を選べたのかは未だに分からない。
もしかしたら手術をしていた方が良かったのかもしれない。 
でも僕がトレーナーとして、人として最後の決断の材料にしたのは選手が「闘いたい」と言ったから。


トレーナーはチームの関係者とか監督、スタッフに伝えるべき情報と伝えるべきじゃない情報があると思う。
選手を守るために伝える時と、選手を守るために伝えない時。
この判断が激ムズ。
例え監督とかチームスタッフに詰め寄られても口が裂けても言わないようにする時だってあるし、情報を包むこともある。


てか、これに関しては他のトレーナーさんの意見もぜひ聞きたい。
みんなどうしてんだろ。
これが正しいのかもよく分からないし。



この問題はとりあえずこれで解決。


と、思ってたけどその選手が彼女さんにケガの話をしたら、「もっと自分を大切にして、そんなに何も考えてないなんて思わなかった」って怒られたらしい。


選手、選手の彼女さん、そして全国の女性の皆様、誠に申し訳ありませんが言わせてください。















ここにまた違うバリ強の悪魔がいたわ。












 選手と2人で悩みに悩んで「これで人生かけて頑張ろう」って決めた事を一言でへし折られるという。
やはり女性って強い。


こちらの気を知りもしないで…とか思うけど、知らないからこそ相手のことを大切に思ってきっとこの言葉を言ったんだろうな、と思う。
その彼女さんにとっては彼氏に身体を大切にする選択をして欲しい。
そりゃ彼女さんからしたら当たり前の選択ですわな。


でもやっぱり選手は選手で全身全霊かけて闘ってるわけで。
この気持ちは、正直ごめんなさい。
彼女さんには全部理解できないと思うし、できちゃったらそれはそれで「うーん…」ってなると思う。
やっぱり選手っていつだって、自分がどんな状態だって、その選手がどんな性格だってやっぱり「闘い続けたい」んですよ。


なので、世の中の男子を僭越ながら勝手に代表して言わせていただきます。


男も男なりに色々考えてます。
まあ、考えてないように見えるのが男なんですけど。
そして女性がそれ以上に色々考えたり思ったりしてるのも分かります。
ただ、ケンカになったり言い合いとかになった時に「どうせ~って思ってるんでしょ」とか「~なんでしょ」って決めつけるのはやめてください。笑


熱くなるのは分かるけど1歩引いて「こういう風に男なりに不器用に何か頑張ろうとしてんのかな」くらいに思ってください。笑


あ、ちなみに個人的にはこの決めつけが1番腹立つかもしれないです。


ホントに考えてない時はたぶん分かります。







でも、これは何でもそうだと思う。
選手って僕の中では人間という分類の中で我が強い分類に入ってくるから余計にだけど、悩んでる友達の相談に乗る時だって、家族の相談に乗る時だって。


背中を押して欲しいから相談する時もあるし、引き止めて欲しい時に相談する時もあるし。
でもどんな時も「ありがたいなぁ」と思う反面、「お前に何が分かんねん」って思う答えが返ってくる時もある。
こちらから相談しておいて何様ってなるけども。笑


だからやっぱ人の気持ちを100%理解することもそうだし、理解した上で相手に心地よく悩みを解決してもらうことってすごく難しいと思う。


「ちゃんとあなたの言ったこと理解してるよー、でも全部分かった気にはなってないし、かと言って理解したからと言って全然上から言ってる訳じゃないし、あなたの理解者っていう立場だよー」的な。








さぁ、今の話を踏まえて再度、冒頭の問題。
「この世の中で最も難しいものは?」





答え。













「女性」







結局この世の中、何だかんだ言って女性が強いのよ。
そんでもって理解しようとすればする程分からなくなってく。
あ、別に悪い意味じゃなくて、これは女性側からしても永遠に「マジ男ってなんなの?」っていう疑問が解決できないのと一緒。
お互い分かってるようで全然分からないもの。
近づいてるようで結構離れてて、離れてるようで結構近づいてたりする。


まあ男性と女性って全然違うから良くて、たまーに悪い。
それくらいが丁度いいのよ。



っていう個人的な「女性最強論」はさておき。






やっぱり人の気持ちを察したり、読み取ったり。
それを読み取った上で気を遣ったり遣わなかったり。
これは難しいもので、でも世の中生きてくには必要なことで。
いつ出来るようになるのか自分でもさっぱり分からないけど、ゆっくり人として成長しようと思います。
いきなり成長したら成長痛強くて痛いし。笑
ちっちゃい頃痛すぎてよく泣いてたなぁ…



エンタの神様っていう夜9時からやってるお笑い番組があって、それがどうしても見たかったけど親にダメって言われて、大号泣していたのはここだけの話。



エンタを見るために親と闘う男(僕)と夜寝る時間を守りたい女(母親)でした。