車の中でなんの会話もなく、いつの間にかついた伊吹の自宅マンションの駐車場。

「 緊張してる?」

「 いえ、別に 」

してる、してますっ!

しないわけないじゃないっ

車を降りると 伊吹の後ろを歩き、一階奥にある伊吹の部屋の前まできた。

「 亜湖ちゃん、鍵 開けて 」

「 私が? 先輩 鍵は?」

「 あるよ、でも亜湖ちゃんが開けてよ 」

そうなの?

開けるのも彼女の役目?

部屋をカードキーで開けると 少しホッとした。

先にどうぞ と言われ 素直に入るが 初めての男の部屋を 玄関から マジマジと見ていると、背後でドアがロックされた。

「 先輩?」

「 入らないの?ほら、おいで 」

おいでって…

部屋に上がると 12畳のフローリングで やたらと大きいベッドに紺のカバーリングされた布団がある。

空の本棚やウォークインクローゼット、特に最低限の物だけで余分な物はない。

「 なんもないけど 亜湖ちゃんがいるから明るいよ 」

それは~ 誉め言葉?

「 ソファまだ買ってないんだ、そのうちね。まぁ、ベッドにでも座って 」

ベッド……ベッドっ!?

ヤバ… 心臓がバクバクするっ

「 いえ、私は床で平気ですっ」

「 意識、してんだ 俺のこと。なんもしないから安心しな 」

「 はは… 」

それは 嬉しいけど…

喜べないのはなぜ?

一応 女なんだけどな…