コロナ禍で日本円と日本株が暴落の危機にある。元モルガン銀行日本代表の藤巻健史氏は「日銀は国債や株などを買って日本経済を支えているが、財務状況は悪化するばかり。景気悪化が長引けば、円暴落という最悪のシナリオも考えられる」という――。

■「日本円は決して安全資産とは言えない」

私は現在、金融資産のほとんどを円ではなく、ドル資産で保有している。それも今現在は長期債でも株でもなく短期のドル資産だ。あまりにドルに偏っているがゆえに、時々、資金繰りを間違えて昼食代の円にも困ってしまうくらいだ。

私は約15年間、米モルガン銀行(現、JPモルガン・チェース銀行)でディーラーを務め、「涙と冷や汗をかく」ことによって生活の糧を得てきたリスクテーカーだ。

負けているときどう耐えるべきかも熟知している。だから私と同じような偏った運用はお勧めないが、現在のような緊急時にはドル資産、それも現金に近い資産を、保険の意味で持つべきだ。

なぜなら、日本円は決して安全資産とは言えないからだ。

私は今の政府・日銀の財政・金融政策は間違えていると強く思っている。2013年に黒田日銀が始めた異次元緩和とは、ハイパーインフレを起こした経験から全世界で禁止されている財政ファイナンス(※)そのものだ。

※政府の借金を中央銀行が紙幣を刷ることによって資金調達をすること。

ハイパーインフレとはお金の価値が暴落すること。給料、年金は毎月上がると予想されるが、パンの値段は毎時間上がる。給料をもらった後、1日、2日は購入できても3日目からは餓死の危機が迫ってくる。日本はその一歩手前のところまで追い込まれているのだ。

■ハイパーインフレで日本円は紙切れになる

反発を承知して言うが、私は「日銀は倒産せざるを得ない」と思っている。もちろん中央銀行は社会に不可欠な存在だから、新しい中央銀行は創設される。しかし現に流通している円は単なる紙切れになる。円は現在の中央銀行である日銀の負債だからだ。

しかし、中央銀行といえども、つぶれた歴史がある。終戦後のドイツだ。当時の中央銀行(ライヒスバンク)は、第2次大戦で軍事費を調達したいヒットラーの圧力に屈し、異次元緩和を行った。その結果、終戦後にハイパーインフレを引き起こし、後始末のためにつぶされた。

その後新しい中央銀行(ブンデスバンク)を創設され、ハイパーインフレを鎮静化した。ハイパーインフレとは貨幣価値が失墜したことにより起こるものだから、貨幣価値を正常化すれば収まるのだ。

一番ひどい目にあったのは、最後まで旧紙幣を保有していた庶民だ。手元に残った紙幣は法定通貨ではなくなる紙くず化してしまったからだ。紙くずでは何も買えない。

「円の価値を担保するのは、物価上昇率と経常収支と外貨準備と対外純資産だ」などという人がいるが、違う。円の価値は日銀への信認が失墜すれば簡単に崩れ去る。

終戦後のドイツにおいて、経済実態が何も変わらないのに、健全な中央銀行(ブンデスバンク)を創設することにより貨幣価値が回復し、ハイパーインフレが鎮静化したことからもご理解いただけるかと思う。

■かつては優良経営を続けていた日銀

私が金融マンだった頃(2000年3月まで)の日銀は、「山のように何があっても動じないよう、日本経済の最後の砦となるよう」と自戒していた。

1992年10月発行の「日本銀行の機能と業務」という日本銀行金融研究所が発行した本がある。その本には「銀行券は日本銀行にとって負債(いわば、日本銀行の発行する債務証書)であり、日銀はそうした負債に見合う資産として、発行券発行額以上の発行担保物件を保有しなければならないことになっている。なお、これらの発行物件については、中央銀行の資産としての健全性に関して充分な注意が払われている」と書いてある。

元日銀マン氏に聞くと,入行時の研修でも、そう習ったそうだ。

実際、当時の日銀のバランスシート(1993年末)を見ると、規模は50.2兆円。現在の585兆円(2020年2月末)の12分の1だ。負債の大きな部分の41.6兆円は発行銀行券。資産は買入れ手形8.5兆円、国債31.4兆円で、負債に見合う資産をしっかり保有している。

その国債は政府短期証券(満期60日程度の資金繰り債)が19.2兆円、残りもほとんどが短期国債である。マーケットの動きで値段が大きく上下する長期国債は「成長通貨の供給」(※)と言って回収する必要のないお金を供給するときだけ、ごく少額買っていた。

※経済が成長していくとそれに見合ったお金を供給する必要がある。そうしないとお金が不足し、お金の価値が上がってしまう(=デフレ)。

お分かりのように、市場いかんで値段が大きく上下するような資産は保有していなかったのだ。日本銀行金融研究所が本に書いただけでなく、実際に資産の健全性に充分、注意していたということ。マーケットが激変しても日銀が債務超過になる可能性はほぼゼロだった。

■政府の借金を、日銀が肩代わりしている現状

日銀は2013年4月、デフレ脱却という大義名分のもと、異次元緩和を開始した。先述した日銀の「財務の健全性」原則の大破りを始めたのだ。正式には「異次元の量的質的緩和」という。量の拡大自身も大問題なのだが、質の面も大きな問題なのだ。

質的緩和の一番の問題は長期国債の爆買いを始めたこと。先に述べたように、私が金融マン(2000年3月まで)だった頃は、マーケットの動きで値段が大きく上下する長期国債などほとんど買っていなかった。このような商品の保有は資産の健全性に大きく反するからだ。

1%の金利上昇で短期国債の価格は少ししか下がらないが、長期国債は大きく下げる。影響が長期に及ぶ。そのように値が大きくぶれる長期国債の爆買いぶりがすさまじい。平成29年度、国は国債を141.3兆円発行し、日銀は市中から96.21兆円も購入している。

その大部分が長期債だ。市場規模の68%もの国債を購入している。その結果、保有額は急速に拡大し、今では国債発行残高の46%をも日銀が保有している。かつて国債は、銀行や保険会社を通じて、国民の預金や生命保険料で購入されていたと言えるが、今では日銀が紙幣を刷って(正確には日銀当座預金を増やして)購入しているのだ。

■累積赤字増への警告は鳴らず、財政規律は崩壊している

どんな市場でさえ、それまで存在していなかった買い手が突然現れ、市場規模の7割も買い上がれば値段は暴騰(=長期国債では金利急低下)する。

市場経済下では、財政赤字が積み上がれば国債の供給過多で長期金利が上昇し、累積赤字増加に警戒警報を鳴らすのだが、市場原理の働かない日銀の出現で、いくら国債を増発しても値段が下落(長期金利は上昇)しなくなった。

つまり、累積赤字増に対する警告が鳴らなくなったのだ。財政規律の崩壊だ。日銀の「国債爆買いの弊害」は財政規律の崩壊にとどまらず、日銀への信頼を根底から覆すリスクを発生させたと言っていい。

昨年9月末時点での日銀保有国債利廻りは0.26%だ。平均残存年数は6~7年だと思うので、10年金利に換算すれば0.3%くらいだろう。現在のゼロ%の長期金利がたった0.3%上昇すれば日銀は債務超過に陥る。0.3%など私のディーラー時代なら1晩で動く。

■日銀はたった0.3%の金利上昇で債務超過に陥る

コロナ禍による財政出動で、長期金利は近い将来、世界的に上昇が予想される、中央銀行が必死の買い支えをしているが、いつまで持つか?

4月15日の日経新聞経済教室で小林慶一郎慶大教授は「コロナ危機後の世界では、金利が正常化して80年代ごろの水準に戻るかもしれない」とおっしゃっている。80年代で長期金利が一番高かったのは80年4月の11%、一番低かったのは1988年の4.8%(年末の数字の比較)である。繰り返すが、日銀はたった0.3%の金利の上昇で債務超過に陥る

日銀は長期国債市場だけでモンスターとなったわけではない。株の世界でも株のETFを爆買いし、今年中には、日本一の株主になるといわれている。世界の先進国で金融政策目的で株を購入している中央銀行など他にはない。

コロナ禍に対し世界各国の中央銀行が大型の金融政策発動を発表したが、そのなかにさえ株の購入案はどこにもない。株価下落で起きる中央銀行の信用失墜が怖くて、そんなものの保有は他の中央銀行には出来ないのだ。当然の感覚だ。

■コロナ禍による株価下落で日銀は危機を迎える

今年3月、日本株市場では、日経平均19000円という数字が大いに注目された。日銀の保有株に評価損が生じるかもしれない数字だったからだ。

その攻防戦で「日銀が株式市場に介入した、しない」が注目された。異常な世界だ。そして、日銀はますます深みにはまっていく。私のラフな試算では日経平均1000円の下落あたり1兆3000億円ずつ評価損が膨らんでいく。

日銀は、長期国債や株だけではなく、不動産市場にもリート購入の形で参画している。CPや社債の購入など、他の中央銀行が今回のコロナ禍で、法律を変えてやっと始めようという商品もすでに長い間、時限措置と称しながらも購入を継続してきた。

まさにあらゆる市場に参入し、市場をコントロールしようとしているのだ。市場原理の働かない機関が大きく参加している市場は資本主義の市場とはいえない。計画経済だ。計画経済はいずれほころびが出て崩壊することを歴史は物語っている。

今後、コロナ禍が収まらず、資金繰り倒産が続発すれば、株価は再度下落するだろう。そうなれば、日銀は再び評価損発生の危機に遭遇する。より怖いのは、保有額が莫大な国債の価格だ。今のところ何とか、債務超過を防いでいるが、崖っぷちにいるのが日銀だ。

■健康体には程遠い「世界最大のメタボ」

平時にバランスシートを膨らませ、世界最大のメタボになり、しかも利回りの低いのを買いあさったのが日銀だ。まさにジャンクフィードを食べあさってブヨブヨに太っているのが今の日銀だ。健康体とは程遠い。

債務超過が起これば日銀の信用は失墜し、発行する通貨は暴落が始まる。だからこそ、その「Xデー」に備えて保険の意味で、私はドルを買っている。

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プレジデントオンライン / 2020年4月23日 11時15分

 

オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。

退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきた彼は、このままでは「①人口減少によって年金と医療は崩壊する」「②100万社単位の中小企業が破綻する」という危機意識から、新刊『日本企業の勝算』で、日本企業が抱える「問題の本質」を徹底的に分析している。

コロナ問題で露呈した「日本の産業構造の脆弱性」を解説した前回に続き、今回はショックに対する「抵抗力」を決める要因について解説してもらった。

■危機への強さは「産業構造」に依存する

新型コロナウイルスの問題には、2つの側面があります。医療と経済です。医療面のことは私の専門ではありませんので、本稿では経済の側面からのみ、この問題を解説していきます。

日本政府の対応を見ていると、日本経済の体力に大きな懸念を覚えます。日本は経済をどこまで守れるか、大変心もとない状況なのです。

前回の記事「コロナで露呈した『日本経済の脆弱性』の根因」では、小規模事業者が多くなるほど、有事の際に負のスパイラルに陥りやすいことを説明しました。

小規模事業者は生産性が低く余裕がないため、有事の際に持ちこたえる力にはどうしても乏しくなります。すると必然的に、小規模事業者で働く労働者の比率が高い国ほど、コロナウイルスによる影響は大きくなってしまいます。

そもそも日本には小規模事業者が異常に多く、国全体の生産性を大きく低下させています。その結果、国の財政が弱体化してしまっているので、コロナウイルスの影響で今以上に負担が大きくなっても、財政出動は難しくなります。

これが日本の偽らざる実態です。日本政府はまだロックダウンには踏み切っていませんが、すでに緊急事態宣言が発せられ、多くの事業者が休業を要請されています。しかしながら、要請に応えて休業に踏み切った事業者に対しても、国としての休業補償はしないという姿勢を維持しています。

休業補償のほか、国民生活の保障に対し政府が後ろ向きである最大の理由は、日本の財政が世界最悪の状態にあるからにほかなりません。

■スペイン、イタリアも産業構造が脆弱

このように財政が極めて厳しい状態に追い込まれてしまっているのは、日本だけではありません。スペインとイタリアも日本と同様に、危機的状況に直面しています。

ご存じのように、この両国は欧州の中でも突出してコロナウイルスの感染者が多く、多数の方々が亡くなってしまいました。その理由の1つは、スペインとイタリアは財政が弱く、コロナ蔓延以前から医療への投資を削らざるをえなかったので、医療崩壊が深刻化して救える命を救うことができなかったと言われています。

たしかにこの両国は財政が極めて弱く、EUに支援を強く求めています。EUとしてコロナ債を発行するべきと訴えていますが、ドイツやオランダなどが反対しています。賛成している国と反対している国を見ると、賛成しているのは生産性が低く財政が弱い国で、反対しているのは生産性が高く財政が強い国という特徴が見られます。

そして、その生産性の弱さの原因は「小規模事業者の多さにある」とされています。

スペインとイタリアの生産性は、それぞれ世界第30位と第33位です。このように低いランキングになっている状況は「スペイン病」や「イタリア病」と揶揄されています。

欧米の学会で発表された複数の論文で、小規模事業者を中心とする中小企業が全企業に占める割合が大きすぎ、企業の平均規模が小さいことが、この低い生産性の原因であるとハッキリ指摘されています。ドイツやフランスと比べてみると、その違いは明らかです。

 

仮に同規模の企業の生産性が各国で同じだとしても、小規模事業者の生産性は大企業の半分強程度でしかないため、小規模事業者の比率が大きくなればなるほど、国全体の生産性は当然下がります。

このような問題を抱えている国は、日本、スペイン、イタリアだけではありません。韓国、イギリス、ニュージーランド、ギリシャなどがそうです。これらの国の頭文字を並べるとSINKING、つまり「沈む」国となります。

各国とも多少の違いはありますが、小規模事業者が多いという共通点があります。それが原因で生産性は低迷し、女性の活躍は進まず、貧困率が上昇し、GINI指数で見た格差が拡大し、財政も悪化、さらには少子化も進行するという諸問題を抱えています(参考:コロナで露呈した「日本経済の脆弱性」の根因)。

 

中小企業が非常に多く生産性が低い国の中で、唯一財政が強いのは韓国ですが、いくつかのショックを受けて、次第に財政が悪化しています。

■SINKING国はコロナショックに対抗する余力が少ない

私は、日本の人的資源が世界的に非常に高く評価されているにもかかわらず、なぜ生産性が極めて低いのかという謎の答えを、30年間ずっと探し続けてきました。

数字で見ると、2018年の国際競争力ランキングの評価では、日本は世界第5位です(世界経済フォーラムの調査、以下同)。しかし、生産性は世界第28位です。

スペインとイタリアの生産性は第30位と第33位です。一方、国際競争力では第26位と第31位です。ギリシャの生産性は世界第50位で、国際競争力は第57位です。生産性と国際競争力は、おおよそ一致しています。

世界経済フォーラムの発表によると、国際競争力ランキングとその国の所得の中央値との間には、相関係数0.82という極めて強い相関関係があると分析しています。

一方、日本、イギリス、韓国、ニュージーランドは、国際競争力ランキングと生産性の順位が大きく食い違ってしまっています。

イギリスは国際競争力ランキングでは第8位ですが、生産性は第26位で、日本と同様に2つのランキングが大きく食い違っています。

日本もイギリスも、国際競争力ランキングはスペインやイタリアより圧倒的に高いのに、生産性が同程度に低くなっています。ということは、生産性を低下させる何か決定的な類似点が存在していることが示唆されます。

その「類似点」こそ、産業構造の歪みです。何度も指摘しているとおり、日本は小さい企業が圧倒的に多いという歪みを抱えています。

イギリスのデータを見ると、労働者が大企業と小規模事業者に集中しており、中堅企業が少ないことがわかります。この産業構造の歪みが、生産性が低い原因となっています。

 

■長期になればなるほど「財政出動」が必要になる

コロナウイルスとの戦いが短期戦ならば、各国の財政は問題にならないかもしれません。しかし長期戦になれば、どこまで企業と雇用を守ることができるかは、最終的にはどこまで財政出動ができるかにかかっています。

余裕がない小規模事業者が多ければ多いほど、支援を求める企業と労働者が増えるため、その国の負担は重くなります。反面、小規模事業者が多い国ほど生産性が低くなり、財政は弱くなります。つまり、国の負担が重い国ほど、それに対応するお金が少なくなるのです。

そして日本は小規模事業者が極めて多く、財政が脆弱な国の代表格です。コロナ問題が長期化すれば、どこまで小規模事業者を守るのか、苦渋の決断を下さなければならない日が近づくのです。

デービッド・アトキンソン:小西美術工藝社社長

 

東洋経済オンライン / 2020年4月23日 7時55分

 

 

日刊大衆 / 2020年4月7日 6時0分

画像はイメージです

 

 首都・東京で感染者が増加している新型コロナウイルス感染症。政府が「緊急事態宣言」を発令する可能性もあり、予断を許さないが、気になるのは「いつまで、この鬱屈とした状態が続くのか?」だろう。

 数か月、1年、数年……専門家の間でも見解が分かれているが、数理統計学の専門家で、予防医学の権威である新潟大学名誉教授の岡田正彦博士は、「60日程度で終息に向かう」と提言する。岡田氏は、昨年暮れに上梓した『医療AIの夜明け』(オーム社)で、ウイルスによるパンデミックを予測していた。「あと60日の我慢」の根拠とは!?

 

「根拠は大きく三つあります。一つ目は、ウイルスの発生源となった中国の375の都市に住む感染者1万6829人を数理解析したデータです。中国の情報は信用できないとよくいわれますが、調査にはイギリス、アメリカの大学も加わっており、論文は『サイエンス』
という信頼に足る学術誌に掲載されています。信頼性の高いデータと言えます」(岡田氏=以下同)

 分析結果で注目されるのが、「再生産数」と「非発症者からの感染率」だという。「再生産数」は1人の患者が直接、感染させる人数のこと。再生産数が「3」なら、1人の患者が3人にウイルスを拡散したことになるが、この数値が「1」以下だと患者数は減っていく。

 一方、「非発症者からの感染率」は、無症状の感染者が他人にウイルスをうつす割合。特に無症状の若者がウイルスを拡散する恐れが高く、小池百合子東京都知事が若者に外出自粛を要請したのも、そのためだ。

「武漢市では、都市封鎖(ロックダウン)前が再生産数2.38だったのに対して、封鎖後は0.98と1を下回りました。1日あたりの感染率も1.12から0.35へ下がり、封鎖後、感染が終息へ向かっていることが分かります。封鎖前と後では、非発症者からの感染率も0.62から0.15へと大幅に改善されています。習近平国家主席が3月10日に“封じ込めに成功した”と宣言したとき、多くの人が疑念を抱きましたが、どうやら真実だったようです。中国のように都市封鎖をせずとも、人の動きを制限するだけで十分に効果があるはずです」

 くだんの論文は、非発症者における感染率低下の効果が大きかったとしており、その背景にはマスクの着用や手洗いの励行、検査体制の充実、医療従事者の環境改善などもプラスに作用したという。

「これらは、すでに日本で実施していること。ただ、武漢が都市封鎖を行った時点では、中国以外の国で感染がほとんど確認されていませんでした。そうした“閉じた状態”の中での都市封鎖は効果を発揮しますが、現在の日本の場合、海外からの感染者の流入を食い止めることが最大の課題となります」

 こうした状況を受け、特定の国からの入国拒否に加え、海外からの入国者に対する2週間の待機要請を行う方針を固めている。

 現在発売中の『週刊大衆』4月20日号では、このほかにも、新型コロナウイルスに打ち勝つための「免疫力アップ体操」を特集している。