※ このブログは、平成30(2018)年12月24日から「さくらのブログ」に掲載し続けている『逃病日記』の直近分をコピペしたものです。

 

 

(24.6.21.金)曇り時々晴れ

 昨日のヨメさんの「物忘れ外来」受診の余波が続いている。

 昨年暮れの12月下旬に、このA病院の「物忘れ外来」を受診時に撮ったMRIの結果を、昨日、知らされた。前回3月に受診したときに何も言われなかったので、特に異常がなかったということかなと思っていた。ところが、昨日、主治医から  6月いっぱいで辞めることになっているからなのかもしれないが  「MRIの結果を告げるのを忘れていました」と言って、診断結果を告げられた。

 診断結果の告知を失念していたこと自体も問題だが、それはさておき、その診断結果について、脳血管内に小さな動脈瘤があり、脳梗塞などのリスクがあるので血圧管理に注意するように言われた。しかし、12月からの寒い冬の時季の入浴時なんかになんか起こっていたら、失念していたでは済まんで……。

 現在、他院(S医院)で処方された血圧降下剤を服用している旨を告げたら、その医院宛に情報提供書を作ってくれた。この情報提供書には、病名なども記載されていたが、封入せずにそのまま手渡された。これはこれでまた問題だが、これもさておき、ヨメさんがそこに記載してあった病名(MCI(軽度認知障害))を見て、S医院の主治医に病名を知られることを懸念し、「S医院に血圧降下剤をもらいには行くけど、こんな書類は持っていかへんで」と言い出した。そのS医院に行くときは、私も同行すると言ったが、それも「そんなんいらんわ、自分一人で行くわ」と頑なに言い張って取り憑く島もない感じ。

 動脈瘤は、ごく小さなもののようで、リスクが大きいのなら脳血管外科にでも紹介するだろうから、当面、最低限として血圧降下剤を処方してもらえればいいんだろう。

 従来から、下肢静脈瘤でかかっている医院なので情報提供書も持参する必要もないだろうし、まあ、私も同行する必要もないだろう。実は、この医院の主治医から、ヨメさんが受診しているときに電話をもらったことがあった。「お薬手帳」にMCI(軽度認知障害)の特効薬ドネペジルの処方歴があったため、診察に際し、処方するに当たって、私に了解を得ておこうと思ったようだ。だからこの主治医もヨメさんのMCI(軽度認知障害)については認識しているだろうから、情報提供書を持参しなくてもいいだろう。ただ、脳の血栓については、A病院に行って、そのヨメさんのMRI画像をもらってこようと思う。

 

(24.6.22.土)曇りのち雨

 下記の【今日の読書491】にも書いたとおり、やっと『騎士団長殺し』を読み終えた。

 本書は、(多分)再読だったと思うが、内容に関しては、覚えているところがあったり、覚えていないところがあったりという感じだったが、以前に読んだ『街とその不確かな壁』も含め、村上春樹氏の小説も、そろそろ集大成の時期に入りつつあるような印象を受けた。

 そもそも『騎士団長殺し』を  既読の可能性あったにも関わらず  読むことにしたのは、『逃病日記567』にあるように、今年の1月半ば過ぎ、散歩がてらに近くの大垣書店に立ち寄った際に、新刊書コーナーにあった佐藤優氏の『神学でこんなにわかる「村上春樹」』が目に止まり、購入したのがきっかけだ。

 佐藤氏の本はこれまでも何冊か読んだことがあったが、「神学研究」と「ロシア・インテリジェンス」という独自の視点からの論述は、重厚で信頼感があるという印象だ。そんな佐藤氏の村上春樹について著作ということで、即、購入した。

 内容的には、村上氏の『騎士団長殺し』に則した論述が中心のようだ。

 この『騎士団長殺し』の6年後に刊行された街とその不確かな壁』(⑦-85)については、佐藤氏の著作の中では「あとがき」の中で取り上げられている。この街とその不確かな壁』の内容に関し、以前に読んだ『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』(⑦-50.51)にも、同じような「壁の中の異次元の世界」や「夢読み」という話は出てきていたように記憶する。それらのメタファーが何を指し、何を意味しているのかを読み解くことによって、村上春樹の小説の評価も左右されるんだろう。

 佐藤氏の著作で「神学」の観点から、どのように『騎士団長殺し』を読み解いていっているのか、読むのが楽しみだ。

 

(24.6.23.日)雨

 今日は、一日中、激しい雨模様なので、特に出かけるところもないため、「サンデーモーニング」と「サンデー・ジャポン」や大リーグ中継などを観ながら、ブログを作成していた。

 前二つの報道番組では、いずれも「東京都知事選」でかまびすしい。「雌タヌキ」と「雌キツネ」の「化かし合い」ということだが、どちらが勝つか、なかなか予測し難い。

 「神宮の森」と言ったって、もひとつこちとらはピンとこない。まあ、小池氏が再選されたら「都政」はあまり様変わりはしないだろう。一方で蓮舫氏が当選すれば「都政」は多少なりとも様変わりするかもしれないが、逆に沈没のリスクも伴うだろう。

 息子が東京に住んでいるが、当面は我々には関係ない話。しかし、当方、むかしから“野次馬根性”に溢れ、お祭り騒ぎが好きなので、関係ないとは言え、変にウキウキ、ワクワクとしないでもない。

 ということで、二人から受ける第一印象は、「雌タヌキ」の方はウサン臭さが拭えず、落ち着き払って喋っているが腹の中では何を考えているか分からんクセ者という印象。一方、「雌キツネ」の方はキンキンとした声で小うるさく、小賢しいが一方で度量に欠けるという印象で、まさに「狐と狸の化かし合い」の選挙戦になるんだろう。果たして有権者はどちらに化かされる(馬鹿にされる?)んだろうか?

 

【今日の読書491※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字

①-21『吉本隆明代表詩選』

①-25『心的現象論序説』

②-44『明治大正史 下』

③-56『人間の由来(上)』

③-57『すごい物理学入門』

④-9『小林秀雄全集7/歴史と文学・無常ということ』

⑥-25 『文庫の読書』

⑦-93『騎士団長殺し4』

⑦-94『S・フィッツジェラルド・ブック』

⑦-95『アメリカン・スクール』

⑨-6『夢・アフォリズム・詩』

⑩-39『プルーストを読む生活』

⑩-44『自炊者になるための26週』

⑪-9『色川武大・麻田哲也エッセイズ1』

⑫-30『小説作法』

⑬-11『こころ』(Kindle)

コメント:やっと⑦-93『騎士団長殺し4』を読み終えた。本書は、(多分)再読だが、これで、現在、刊行されている村上春樹の小説を短編も含めすべて読み終えたことになる。詳細は、前記の6月22日の記事のとおりだが、さて、それでは次にこのジャンル  読書リスト」⑦ 小説一般  で、何を読むかだが、⑫-30で小島信夫の『小説作法』を読み始めたので、同氏の『アメリカン・スクール』を読むことにした。この際、一連の「第三の新人」を読もうかと思っている。以前に読んだ作品もあるから、必要に応じて再読ということもあるだろうが、まずは、保坂和志氏も入れ込んでいる、「捉えどころがない」との評がある小島信夫の小説を読むことにした。

 さてそれでは、前回に続いて、③-55『ありえない138億年史』から、私が印象に残ってマーカーを引いた箇所を引用しておく。

p.91-92「45億年前に太陽系が生まれ始めたころ、地球もまた、ちりほどのサイズから惑星規模のサイズまでの物体が集積・吸着し、急速に大きさを拡大していった。この形成期に、一部の元素のみを選んで集め、その他の元素を除外するプロセスがあったに違いない。それでは、どんな元素が除外されたのか?大半の元素は、もともと太陽系内にほとんど存在しなかったため、地球を構成する重要な物質になれなかった。また、そのほかの元素の中には、主に気体(単一の原子もしくわごくわずかの原子の集まり)として存在しているものもある。こうした気体状の元素は、若く元気な太陽から勢いよく流れ出る粒子により、地球の存在する内太陽系から外へ吹き飛ばされてしまった。こうして太陽系の外側では、それらの元素が集まり、木星、土星、天王星、冥王星という巨大なガス状星雲が生まれた。その一方で、どんな元素が内太陽系に残ったのか?それは、肉眼で見られるほど大きく、膨大な数の原始を含む鉱物粒子である。鉱物粒子は、その大きさゆえに、太陽から流れ出る粒子の圧力に耐え、地球が形成されつつある内太陽系に留まることができた。この鉱物粒子の主成分が、ケイ素、酸素、マグネシウム、鉄という四大元素だったのだ。」

p.227「人間の体のあらゆる細胞の最古の祖先は、隕石の衝突が繰り返された期間の直前か直後の時代にまでさかのぼると思われる。生命ある細胞は少なくとも、周囲の環境から自分の中身をある程度分離する細胞壁に取り囲まれ、物質やエネルギーを処理する代謝を行い、繁殖できなければならない。」

 

今日の映画491】※データは『映画.COM』のサイト等から入手

邦題:『(U-NEXTで視聴)

原題:  

製作年:1957年

製作国:日本

監督:大曾根辰夫

出演:大木実/岡田茉莉子/笠智衆/森美樹/山内明

ストーリー:東海道線の小駅の近くで夜行列車から一人の男が転落、付近の病院で間もなく絶命した。東京への照会で男は飯島(山内明)といい無免許で堕胎をしていたと判った。警察はこの事件を軽く見たが長谷川刑事(笠智衆)は何かあると確信した。果してその夜、病院の死体置場に贈主不明の花束が届いたが、警察も知らぬ水原秋子(岡田茉莉子)という贈主だった。彼女は元、安酒場で働いていたが、ふとしたことでファッション・モデルの幸運を掴みこれを手放すまいと懸命になっていた。この秋子には、二人の男がいた。一人はプロ野球二軍選手の江波(森美樹)。秋子は彼と結婚しようとしていたが、これを阻むもう一人が飯島であった。飯島は酒場時代の秋子の古傷にふれ彼女を苦しめていた。たまたま、秋子の大阪でのショウの帰りを追って飯島が夜行列車に乗った。洗面所で秋子と口論、もみ合ううち飯島は列車から落ちた。帰京した秋子は江波との生活設計を進めたが、長谷川刑事らの捜査も捗り事件の目撃者石岡三郎(大木実)を見つけた。石岡は夜行列車の洗面所で秋子の顔を見たというが・・・

コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.1、TSUTAYAは2.88、Filmarksは3.7で、私の評価は3.0とした。

 『影の車』に続いての松本清張原作作品。清張の作品には、よく列車が出てくるが、それも古い作品の場合は懐かしいSLだ。そんな戦後の懐かしい風景や風俗などが見られるのが、清張の原作を映画化した作品の魅力だ。U-NEXTには、そんな清張の原作による映画作品がリメイクを含め70作品以上配信されているので、古い制作年順に、飽きるまで見続けようかとなんとなく思っている。

 

【今日のジャズ491※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手

タイトル:Still Live

アーティスト:Keith Jarrett 〜 Gary Peacock 〜 Jack DeJohnette

レーベル・品番:ECM・1360 〜 1361//ポリドール・POCJ 2416 〜 2417/・33MJ 3576 〜 3577/・J52J 20215 〜 20216//ユニバーサル・UCCE 9126 〜 9127

録音年月日:1986.7.13

曲名:①My Funny Valentine/②Autumn Leaves/③When I Fall In Love/④The Song Is You/⑤Come Rain Or Come Shine/⑥Late Lament/⑦You And The Night And The Music 〜 Extension/⑧Intro 〜 Someday My Prince Will Come/⑨Billie's Bounce/⑩I Remember Clifford

ミュージシャン:Keith Jarrett (p)/Gary Peacock (b)/Jack DeJohnette (ds)

コメント:活動を始めて40年近くが過ぎようとしてスタンダーズだけに、かなりの数の作品を残してきた。驚くべきは、それらのすべてが名盤と呼んでいい内容であることだ。中でも、このライブ2枚組では、キース・ジャレットを中心にしたトリオが素晴らしいインタープレイを聴かせる。スタンダードに新しい解釈を加えていることでも、他の作品より頭ひとつリードしている。ジャズにおける温故知新の典型だ。(『レーベルで聴くジャズ名盤1374』から引用)

 次に掲げたYouTubeのライブ画像は必見だ。三人のプレイヤーの息遣いや駆け引きを目の当たりにするかのように観ることができる。キース・ジャレットは、プレイの際の唸り声が煩わしいが、立ち上がって、身体を動かしつつ演奏する姿を見ると、それも許せるように思える。

 情報量が多くなりすぎるので、YouTubeのライブ画像のURLとのリンクを、日々の【今日のジャズ】をサマライズした【今日のジャズ〇〇〜〇〇】には載せないようにしていたが、今回、見ごたえのある、三本の長尺のライブ画像がアップされていたので、またサマリー【今日のジャズ〇〇〜〇〇】にも復活することにした  最新は【今日のジャズ486〜】になる。

<YouTubeライブ映像>

Standards I (Keith Jarret, Gary Peacock, Jack Dejohnette)

Keith Jarrett / Gary Peacock / Jack DeJohnette - Tokyo 1993

Keith Jarrett / Gary Peacock / Jack DeJohnette - Standards 2 (1986)