※ このブログは、平成30(2018)年12月24日から「さくらのブログ」に掲載し続けている『逃病日記』の直近分をコピペしたものです。

 

 

(24.6.17.月)曇り時々晴れ

 今日もまたヨメさんと言い争いをしてしまった。毎度のことで原因というほどの際立ったきっかけや出来事はない。

 私が発したちょっとした言葉にヨメさんがこだわったり、ヨメさんが体調不良で気が滅入るような時などに機嫌が悪くなり、キレた状態になる。そうなると、不機嫌な状態が途中でおさまったり、私の言う理屈を受け入れ、納得して事態がおさまると言うことはまずない。いくところまで行くというか、ヨメさんが思いの丈を喋り尽くし、私も別室に引っ込んで、半日ほど過ぎるか、夜寝て日が替わると、時にはケロッとして、時にはどちらからともなく相手の機嫌を探るように会話が始まって、日常生活が復活する。こんなふうにして、険悪な状態が二日以上続くようなことは、まずないと言える。

 今日は、不機嫌なまま「出かけてくるわ」と言って、四条河原町の『高島屋』に出かけて行った。帰ってきた時は機嫌もなおっていて、夕食用に『551蓬莱』の豚まんや焼売などを買ってきていた。

 

 先週の金曜日の朝日新聞夕刊2面に掲載されていた、映画監督の関根光才氏の最新作を取り上げた記事「横暴さの背景に、認知症へのおびえ 変化した祖父、作品に反映『かくしごと』」は、家族にMCI(軽度認知障害)や認知症患者がいる者にとって、非常に示唆に富む一文だった。

 記事の執筆者は朝日新聞の映画担当記者の平岡春人氏で、次のように作品の概要を紹介している。

 「7日から各地で公開中の『かくしごと』は、昔ながらの日本家屋を舞台とする、認知症などがテーマの物語。関根光才監督は、自身の祖父が認知症になった経験が、製作に影響を与えたと語る。小説が原作。主人公は夫を亡くした絵本作家、里谷千紗子(杏)。絶縁状態だった父・孝蔵(奥田瑛二)が認知症になったと知り、介護のために田舎の家屋で同居し始める。ある日、とあるきっかけで、記憶を失った少年を家にかくまい、自分が母親だとウソをつく。」

 その後、関根監督の言葉「10代の頃、自身の祖父が認知症になった。30年以上前のこと。当時、認知症への社会の理解は浅かった」を引き、さらに「当時、暴力的になる祖父を見て『違う人間になった』と思った。認知症への恐怖が暴力の原因だと、あのとき知っていたら、自分の傷も浅かったかもしれない」と引用した後に、平岡氏は「その思いが、孝蔵の人物像を決定づけた。孝蔵は横暴な振る舞いを繰り返す。自分が物事を分からなくなっていくことへのおびえから、混乱している様が強調されていく」と述べている。

 最後に「大切な人が認知症になるかもしれない。理解、勉強すれば、適切に対応できることがあるかもしれないと思ってくれたらうれしい」と関根監督の言葉で締めくくっている。

 以上の記事などを読むと、「暴力」ではないが、ヨメさんが「キレる症状」なども「自分が物事を分からなくなっていくことへのおびえから、混乱している」んだろうと思う。ぜひ映画作品そのものも観てみたい。ネットで検索すると、現在『TOHOシネマズ 二条』で上映しているようだ。

 

(24.6.18.火)雨のち曇り

 今日も、なんとかヨメさんはスイミング・スクールに行ってくれた。最近、そのスクールの友達が  ご主人が脳梗塞で入院されたために  休会しているので、あまり行く気がしないようだ。ヨメさんが入っているクラスでは、ヨメさんとその友達がレベルが下のほうだったそうだ。その人が休会しているため、クラス全員で一緒に泳ぐときに、ヨメさんはいつも遅れ気味になるので、あまり楽しくないようだ。

 しかし、週1回、他から半分強制的にみんなの泳ぎについていくのは、自分のペースで力を出すのではないので、身体にとってはいい刺激になっているのではないかと思う。

 私自身が毎日やっている運動でもそうだが、他者のペースに従ったり、距離や回数のノルマを課して運動をするのは身体能力の向上に繋がるように思う。自分のペースで身体を動かすのは、身体能力の現状維持には有効だろうが、筋力や能力の向上には効果がないんだろうと思う。

 

 娘がネコちゃんの写真をスマホアプリの「みてね」にアップしてきた。

 

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(24.6.19.水)晴れ時々曇り

 今日は、朝イチでA病院の泌尿器科を受診した。

 もともとは、『人工膝関節置換術』でK大病院に入院した際に、手術時に排尿道管を設置したが、術後に排尿困難となり、院内他科受診で泌尿器科を受診し、退院後に地域病院への逆紹介で現在のA病院に紹介されたもの。

 当初は、排尿困難は道管挿入の影響によるもので、入院中は『バルンカテーテル』を自己道管したりしていた。その後、前立腺肥大の影響も指摘されて、退院後は同病院の外来を受診していたが、症状も安定して薬の処方だけになったため、地域病院への逆紹介となった。

 この病院の泌尿器科では、結構、待たされるんだが、今日は診察が始まってから二人目に名前を呼ばれた。この病院の医師は、基幹の内科や外科などのには専任の医師がいるが、泌尿器科などの診療科では非常勤の医師が多い。今日の医師もこの4月に赴任してきたばかりで、多くが『京大病院』や『京都府立医大病院』から派遣されているんだろう。

 前の医師は女医さんだったが、やはり泌尿器科は男性の医師の方がなんとなく話しやすい(なんでやと言われても・・・)。

 医師が替わっても診察内容は一緒で、同じ三種類(タムスロシン・デュタステリド・タダラフィル)の前立腺肥大に効く薬を処方された。最初はK大病院で処方されたタムスロシンだけだったが、このA病院に変わってから後の二種類の薬が追加処方された。タムスロシンだけでも、排尿困難は改善していたんだが、多くの薬を飲むと腎臓などに影響があるだろうし、次回の診察の際にいっぺん医師に確認してみよう。

 

 今日は、夕方5時に久しぶりに高野川ウォーキングに出かけた。長い間、サボっている間に、もう半パンでないと、普通のジャージでは暑すぎる季節になってしまった。

 コースはいつもと同じで、『洛北阪急スクエア』南端の交差点から川端通りを越えて高野川河川敷の道に降り、『出町柳』の『河合橋』で河川敷の西岸に渡り、西岸の道を北上して『高野橋』まで戻ってきた。橋を渡って東岸に戻り、そこの腹筋トレーニング用ベンチで腹筋運動を30回やストレッチなどをして帰宅したが、これでほぼ1時間の運動。

 今後は、この高野川ウォーキングとエル・スポーツでの水泳と水中ウォーキングを組み合わせていきたい。

 水泳のほうは、特に平泳のときなどは、多少痛みや動きづらい感じがあって、強く脚を蹴れないが、まあ何とか続けてみよう。ちょうどエル・スポーツのビルの一階がドラッグストア『ユタカ』だし、向かいは『恵文社』なので、気分転換にもいい感じ。

 

(24.6.20.木)曇り

 今日は、ヨメさんのA病院の「物忘れ外来」の予約日で、昨日の晩から不穏な空気。「自分一人だけで行く!」と言ったり、「『物忘れ外来』てなんなん、歳いったら誰でも物忘れになるわ!」などと言って、ゴテだしていた。

 それでも、一夜明けて朝になって、なんとか、機嫌を損ねないようにして、すんなりと二人で自転車で病院に向かうことができた。昨日言っていた「自分一人だけで行く!」てなことは、すっかり忘れてしまっている。

 この「物忘れ外来」に行くときは、いつもケンカをして別々に帰ることになる。何故かというと、主治医が面談中に同席している私に対して、ヨメさんの状態について訊ねるので、それに正直に答えると、それを横で聞いていたヨメさんが  自分自身がMCI(軽度認知障害)であることを認識していないので  キレて、機嫌を損ねてしまって「私、かってにひとりで帰るわ」ということになってしまう。

 以前は、この主治医も二人での面談後に、私一人だけで診察室に残って、話す機会を設けてくれていたんだが、最近はそれがないため、面談中にヨメさんがいるところで話さなければならない。前回の診察後に、何か話したいことがあれば、メモで渡してもらえればいいと言われていたので、今回、気のついたことをメモしておいた  メモには、総論的な所見と個別に気のついたことなどをまとめておいた。まあ、そのメモを渡す、渡さないは、その時の状況によって対応すればいい、ということにしておいた。

 診察が始まってすぐに、主治医から今月でいっぱいで退職する旨を告げられた。女医さんで、患者さんに寄り添ういい先生と思っていたので、残念だが、仕方がない。診察が終わる頃に次の担当医に引き継いておくことはないか尋ねられた。ヨメさんに気づかれずにメモを渡すタイミングがあったので、その内容を引き継いてもらうように言って、渡しておいた。

 今日はめずらしく口喧嘩することもなく、診察、会計を終えることができ、近くの院外薬局に処方箋を持って行ったが、待ち時間が30分以上だろうとのことだったので、ヨメさんだけ、先に帰ってもらった。

 

【今日の読書490※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字

①-21『吉本隆明代表詩選』

①-25『心的現象論序説』

②-44『明治大正史 下』

③-54『すごい実験』

③-56『人間の由来(上)』

③-57『すごい物理学入門』

④-9『小林秀雄全集7/歴史と文学・無常ということ』

⑥-25 『文庫の読書』

⑦-93『騎士団長殺し4』

⑦-94『S・フィッツジェラルド・ブック』

⑨-6『夢・アフォリズム・詩』

⑩-39『プルーストを読む生活』

⑩-44『自炊者になるための26週』

⑪-9『色川武大・麻田哲也エッセイズ1』

⑫-30『小説作法』

⑬-11『こころ』(Kindle)

コメント:③-54『すごい実験』を読了した。カテゴリー③は「自然科学関係書籍(キーワード:意識/脳/生命/遺伝子/宇宙/素粒子)」で、まだこのジャンルの本が何冊かあるが、キーワード「宇宙/素粒子」で、③-57『すごい物理学入門』を読むことにした。偶然だがこの書にも「すごい」が書名の冠に着いている。まあ、どうでもいい話題やけど……。

 さて、今回も前回に続いて、③-55『ありえない138億年史』から、私が印象に残ってマーカーを引いた箇所を引用しておく。

p.70「自然は三つの妙技を見せ、この人間世界を生み出した。第一に、恒星を生み出した。第二に、その恒星の中で新たな元素を合成した。そして第三に、一部の恒星を爆発させ、新たな元素を宇宙空間に解き放った。それが新たな恒星の一部になるとともに、岩石惑星を生み出すことになる。」

p.72「自然には、錬金術師がまねできないどころか、想像もできない実験室があった。その実験室とは、恒星の中心である。実際の新元素の生成は、恒星内の核反応を通じて行われている。恒星の中心部でのみ、陽子を結合させる『強力な核力』が、陽子を反発させる電気斥力を超えるほどの高温・高圧環境が生まれるのである。」

p.88「地球の歴史には大きく分けて、化学元素を構成する二つの段階があったと考えるとわかりやすい。第一の段階は、地球形成のごく初期に起きた。このときに、酸素、マグネシウム、ケイ素、鉄の四大元素を主成分とし、そのほかのほとんどの元素を少量だけ含むという地球の大まかな組成が決まった。ただし、この段階ではまだ、すべての元素が混ざり合っていた。第二の段階は、それ以来ずっと続いている。それぞれの元素を徐々に分類し、集めていく段階である。(中略)ビッグバン時の核合成、および恒星内の各合成の結果、太陽系は全体として見ると、大量の水素、さほど多くない量のヘリウム、そしてそのほかすべての微量の元素で構成されている。ところが、地球の主成分は、酸素、マグネシウム、ケイ素、鉄という四つの元素であり、そのほかの元素はわずかしか存在しない。宇宙や太陽系の二大構成元素である水素やヘリウムもさほど豊富にあるわけではない。地球は何らかの形で、太陽系では希少な元素を選んで集めたのだ。(中略)四つの主要元素の中でケイ素に注目するのは、地球を構成している大半の鉱物や岩石の基礎だからだ。炭素が岩石の基礎であるように、ケイ素は岩石の基礎である。」

 

今日の映画490】※データは『映画.COM』のサイト等から入手

邦題:『影の車(U-NEXTで視聴)

原題:The Shadow Within

製作年:1970年

製作国:日本

監督:野村芳太郎

出演:加藤剛/岩下志麻/小川真由美/岩崎加根子

ストーリー:浜島幸雄(加藤剛)はある日、幼馴染の小磯泰子(岩下志麻)の呼びかけにふりかえった。浜島は旅行案内所に勤続十二年の係長で妻の啓子(小川真由美)は万事に社交好きで陽気である。毎日が会社と団地の往復、生活も仕事も単調で味気ない浜島は、泰子に会って同じバスに乗っただけで軽い興奮があった。二度目に泰子に会った時、すすめられるままに泰子の家を訪ねた。四年前に夫に死なれた泰子は六歳の健一と二人暮し。保険の集金と勧誘でつつましい生活を送っていた。健一は父親がないためか、孤独癖のある無口な子供だった。思春期の共通の追憶に話がはずみ、浜島の泰子への想いは募っていったが、狭い泰子の家では、健一の眼が浜島には苦手な存在になった。浜島は健一を手なづけようと、心をくだいたが、浜島にも幼い日に夫を失った母と伯父との間に立たされた忘れ得ぬ記憶があったから、健一の反感が必要以上に応えた。そして、健一が自分を殺そうとしていると突飛な幻想に悩まされはじめた。一度は妻と別れて泰子と結婚しようと決心しながら、健一のことを考えるとまた泰子を諦らめようかと思い迷ったものの、ひたすら愛欲の歓びに溺れた。宿命というには、余りにも似かよった浜島自身の幼年期の体験が・・・

コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.7、TSUTAYAは3.05、Filmarksは3.6で、私の評価は3.5とした。

 本作品は、佐藤正午の⑫-29『小説の読み書き』の中の「松本清張『潜在光景』」で言及されていたので、U-NEXTで配信されていたので観ることにした。原作は前記『潜在光景』という松本清張の短編だが、それが原作の映画作品だがなんで『影の車』という作品名になったのか分からない。作品中にもその名称を示唆するようなシーンは現れない。その短編集にも『影の車』という短編は含まれていない。『潜在光景』という名称の方がよほど作品の内容と合致しているんだが……。

 

【今日のジャズ490※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手

タイトル:Special Edition

アーティスト:Jack DeJohnette

レーベル・品番:ECM・1152/ポリドール・POCJ 2053

録音年月日:1979.3.

曲名:①One For Eric/②Zoot Suite/③Central Park West/④India/⑤Journey To The Twin Planet

ミュージシャン:Arthur Blythe (as)/David Murray (ts,b-cl)/Peter Warron (b,cello)/Jack DeJohnette (ds,p,malodica)

コメント:やりたいことを理想的なグループで実現させていたのが、ECMでのジャック・ディジョネットだ。その最たるものが、アーサー・ブライス (as)とデヴィット・マレイ (ts)の2サックスをフロントに迎えたこの時のスペシャル・エディション。ふたりの音楽性もあって、内容は過激なフリー・ジャズになった。それでも秩序が保たれているのは、ディジョネットのリーダーシップと見事なドラミングに負うところが大きい。(『レーベルで聴くジャズ名盤1374』から引用)

<YouTubeライブ映像>

Jack DeJohnette's Special Edition Montreal Jazz Festival

Lonnie Plaxico w/Jack DeJohnette's Special Edition - Barcelona, 1988-11-09

Jack DeJohnette's Special Edition - Leverkusen, Germany, 1991-10-26