※ このブログは、平成30(2018)年12月24日から「さくらのブログ」に掲載し続けている『逃病日記』の直近分をコピペしたものです。

 

 

(24.6.10.月)晴れ

 今日は、ヨメさんの白内障の術後の6ヶ月後の経過観察のために、B眼科クリニックに行ってきた。

 クリニック前でヨメさんをクルマから降ろして、少し離れたところにある駐車場に向かったが、その駐車場の前には2台の車が順番待ちをしていた。仕方がないので、さらに坂の上のB病院の本院の駐車場に向かったが、3箇所ある駐車場はいずれも「空」の表示で、余裕で駐車できた。

 この眼科クリニックは、民間の眼科医院では京都で一番と定評があり、府外からも患者が訪れている。待合スペースは、100名ほどの患者が座って待てるスペースがあるが、椅子はほぼ8割方埋まっていた。結局、診察まで1時間以上待つことになったが、その間に視力検査などがあり、ヨメさんが「視力1.2もあったわ」と言って戻ってきた。

 しかし、ヨメさんは、昨年12月に白内障の手術をしたことを覚えていない。両眼を手術したんだが、「どっちの眼?」、「別に見え方、どうもなかったのになぁ、眼の中になんか入ってんの?」ってな具合で、ここ半年ぐらいの新たな事象の記憶の定着が困難なようだ。忘れて思い出せないというより、「記憶」という機能が衰えているような印象で、リアルタイムでの会話では、認知・判断力はそれほど支障はないんだが、過去の出来事が関係してくる話になると異和を感じることが多い。

 診察の結果、白内障に関しては特に問題はないので、経過観察も今回で終了ということになった。

 

(24.6.11.火)晴れ

 今日は、ヨメさんのスイミング・スクールの日。これまで2週続けてサボっているので、昨晩から、なるだけ機嫌の良い状態が続くように、何かとご機嫌とりをした。また、昨日はヨメさんの白内障の術後の経過観察に同行したために時間がとれなかったので、今日、一乗寺の『エル・スポーツ』に泳ぎに行くことにした。

 ヨメさんも、朝からずっと機嫌が良く、家事もスイスイとこなしている。ヨメさんのスイミング・スクールは午後1:45からだが、ヨメさんが泳いでいるところはあまり見たくはない。それで私は12:00に出かけることにして、1時間ほど水中ウォーキングと水泳をすることにした。

 今日で「お試し」を入れて3回目だが、徐々に泳ぎもこなれてきたようだ。クロールと平泳は25mを中断なく泳げた。平泳の際の“カエル足”の際は、右足に若干の痛みと引っかかり感があったが、前回よりはスムーズになってきた。背泳は、脚に痛みはないが、筋力の衰えで、蹴る力が弱くなっているからか、下半身が浮かばずに、脚が沈んでプールの底に付きそうになる。バタフライは、両腕が水面から上に持ち上げられない。筋力が衰えていることもあるが、放射線治療の後遺症による右肩と右上腕部の拘縮と右上腕筋肉の一部断裂も原因かもしれない。

 水泳と水中ウォーキングを10分程度を目処に3回ずつ繰り返し、最後にジャグジーで筋肉をほぐして終了した。

 『エル・スポーツ』のビルの1階がドラッグストア『ユタカ』になっている。ちょうど15%オフの割引券があったので「液体ガム」を買って外に出たら、スイミング・スクールの開始時刻に合わせてやって来たヨメさんと店の前でバッタリ、「お父さん終わったん?どやった、泳げたぁ?」「まあまあやわ、ほんなら、お母さんもがんばりや」ということで、おあとがよろしいようで……チャンチャン。

 

(24.6.12.水)晴れ

 今日は、3ヶ月ぶりにK大病院の整形外科を受診した。

 朝イチの9:00からの受診予約だったが、診察前に脚部のX線撮影を済ましておく必要がある。一昔前は、撮影後にフィルムを現像して「シャーカステン」で読影していたので、リアルタイムでの対応は困難だったが、現在はデジタル化されているので、撮影データは瞬時に送信され、すぐに電子カルテシステムに反映され、見ることが出来る。

 しかし、この「脚部のX線撮影」というのは、なかなかたいへんで、撮影するのに時間がかかる。立位と仰臥、横臥、腰掛状態で撮影するが、立位の場合は、はじめは仰臥状態で、その後にベッドが垂直に立ち上がって、そのまま立位状態となる。そのため、ベッドサイドの手摺りをしっかり握り、足元の踏み台にピッタリと蹠を当てておかないといけない。また腰掛状態のときは人工膝関節をした方の脚に重りをつけて撮影したりする。入室すると、使い捨ての紙製半パンツに着替えてから、三箇所の異なるベッドを移動するので、一患者に15分以上かかってしまう。

 X線撮影を終えて中央診療棟から外来棟に戻り、色川武大の『色川武大・麻田哲也エッセイズ1』(⑪-9)を読みながら、診察の順番を待っていた。ほどなく患者呼出端末PHSが鳴って診察室へ入った。診察の結果、特に異常はなかったが、今回は術後2年目になるので、リハビリ部に寄るように指示  人工関節置換術部の状態のアンケートと機能チェックがあるらしい  があった。

 外来棟から、久しぶりに外科病棟地階のリハビリ部に行った。2年前に人工膝関節置換術で約3週間入院していた整形外科病棟は、この外科病棟の1階にあるが、なんとなく懐かしい感じがする。ちょうどコロナ禍の真っ最中の時期で、その頃は病棟内には家族も入れなかった。洗濯物を看護婦さんに手渡して、整形外科病棟前の入口扉前で待っているヨメさんに渡してもらい、代わりにヨメさんから洗濯済みの衣類を受け取って、ベッドサイドまで持って来てもらっていた。

 リハビリ部に行くと2年前に私のリハビリを担当してくれた理学療法士が出てきた。穏やかな感じの好青年で、的確なリハビリをしてもらった印象がある。今日は術後2年目のチェックとして、所定の距離を最速で歩ける時間や、器具をはめて曲げ伸ばしの最大値を測ったり、詳細なアンケートに回答した。ここまで手厚くフォローしてもらえるのは、さすが大学病院という感じだが、遠からず右膝の方も人工膝関節置換術を受けることになるかもしれない。

 

(24.6.13.木)曇り時々晴れ

 今日は、エル・スポーツに泳ぎに行って来た。一昨日の火曜日は、ヨメさんのスイミング・スクールの時間帯とダブらないように、正午にバナナ1本だけの昼食で出かけたが、今日はしっかりと昼食をとって、食後のストレッチをして午後1時頃に自転車で出かけた。

 水泳と水中ウォーキングを10分程度ずつ交互にやって、最後にジャクジーで筋肉をほぐすというメニューもほぼ決まってきたようだ。左膝人工関節と右膝変形性関節症のため、バタ足などの際に力が入りにくいのはどうしようもないが、徐々に“泳ぐ”のための筋力も回復してくるだろうから、当分の間、このメニューでやっていこうと思っている。バタフライの際に両腕が水面から上に上がらないので、筋力を付けるために、家でダンベルの重さを調整して筋力強化を図っている。

 

【今日の読書488※書名頭の数字は当方のブログ『読書リスト』の数字

①-21『吉本隆明代表詩選』

①-25『心的現象論序説』

②-44『明治大正史 下』

③-54『すごい実験』

③-55『ありえない138億年史』

③-56『人間の由来(上)』

④-9『小林秀雄全集7/歴史と文学・無常ということ』

⑥-25 『文庫の読書』

⑦-93『騎士団長殺し4』

⑦-94『S・フィッツジェラルド・ブック』

⑨-6『夢・アフォリズム・詩』

⑩-39『プルーストを読む生活』

⑩-44『自炊者になるための26週』

⑪-9『色川武大・麻田哲也エッセイズ1』

⑫-29『小説の読み書き』

⑬-11『こころ』(Kindle)

コメント:③-55『ありえない138億年史』を読了して、次に読むのは、この分野  ③ 自然科学関係書籍の生命・遺伝子分野  の大御所ダーウィンの③-56『人間の由来(上)』にした。以前、岩波版の『種の起源』(③-38)は訳文が非常に分かりづらかったために読むのを途中で断念し、光文社古典新訳文庫版『種の起源』(③-39)に切り替えて読了している。また、同じダーウィンの著作で、平凡社から出ている荒俣宏訳の『ビーグル号航海記』(③-20.21)は、非常に読みやすくて面白く、ビーグル号の航路に沿って地名を辿ってGoogle Earthで地形図を見て、添えられている風景写真を見ながら読み進めた記憶がある。特に南米「パタゴニア」の雄大で荒涼した景観は、もう二十年若ければ訪れてみたいと思った。

 今回、読了した③-55『ありえない138億年史』から、私が印象に残ってマーカーを引いた箇所を引用しておく。

p.5「地球の歴史には夥しい数の偶然性が作用しているという特徴があります。このため、科学の基本である現象の『再現性』が、ほとんど成り立っていません。」

p.6「四六億年前に誕生した地球は、宇宙空間で岩石の塊が成長して、金星や火星と同じく太陽系の一員となりました。誕生の当初はドロドロに溶けた灼熱の火の玉だったのですが、次第に冷えて硬い鉱石の地盤となったのです。その後、厚地球を取り巻いていた水蒸気が冷え、雨となって地球に降り注ぎました。大量の水はやがて海となり、我々生命の『ゆりかご』になります。海が誕生してわずか二億年ほど後の三八億年前には、最初の生命が海で誕生したのです。そのあと人類まで途切れることなく続く生命の歴史も、地球の歴史の重要な構成要素です。やがて植物が地球を覆い尽くすようになり、それらを食物とする動物が繁栄すると、生物自体が地球環境を変えるようにさえなります。これも本書を貫くテーマですが、私は『地球と生命の共進化』と呼んでいます。すなわち『生物圏』が誕生し、我々人類まで果てしなく進化を遂げるのです。」

p.7「本書のビッグヒストリーは、『我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか』という根源的な問いに対して、回答を与えてくれます。」

p.8-9「複雑系の一部である地球を理解するには、『個別ではなく全体』を一つのシステムとして取り扱う必要があります。というのは、地球にまつわる諸現象は、それぞれの構成要素を単純に足し合わせれば理解できるものではないからです。マクロにシステムとしてみる視座、すなわち『科学的ホーリズム』が重要なのです。」

p.9「二十世紀に入って地球科学は複雑な現象をトータルに理解することに成功し、『プレート・テクトニクス』として結実しました。(中略)地球を覆う10枚足らずのプレート(岩板)が地球上の諸現象を統一的に説明したのです。」

p.12「地球の歴史で見られるほとんどすべての重要事件が、『〈宇宙〉と〈地球〉の歴史における偶然』から『〈生命〉と〈人間〉の領域における偶然』を経て『私たちを生み出した偶然』までの間に入ってしまうのです。」

 

今日の映画488】※データは『映画.COM』のサイト等から入手

邦題:『田園に死す(U-NEXTで視聴)

原題:    

製作年:1974年

製作国:日本

監督:寺山修司

出演:八千草薫/春川ますみ/新高恵子/菅貫太郎/高野浩幸/高山千草/原田芳雄

ストーリー:青森県・恐山のふもとの村、少年時代の私(高野浩幸)は父を亡くし、古い家屋で母(高山千草)と2人で暮らしていた。少年の唯一の楽しみは、イタコに父の霊を呼び出してもらい会話することだ。隣家に嫁いできた美しい女性や村にやって来たサーカス団が、少年を家出の誘惑へと駆り立てる。やがて上京した私は中年となり、1本の映画を撮る。そんな私(菅貫太郎)の前に、少年時代の自分が現れ・・・

コメント:評価は5点満点で、映画.COMは3.5、TSUTAYAは3.44、Filmarksは3.9で、私の評価は3.0とした。

 寺山修司が監督・脚本を手がけ、自身の同名歌集を映画化した自伝的作品。こういう映画を観ていると、やはり映画というものはその時代の中で生まれたものであるということを感じる。現在、この作品を見ても「こら、何のこっちゃ!?」という感想しか持ち得ないんじゃないか。観ていて、つげ義春の『ねじ式』の世界に通じるようなテイストを感じた。

 

【今日のジャズ488※データは『ジャズ資料館』のサイト等から入手

タイトル:Gnu High

アーティスト:Kenny Wheeler

レーベル・品番:ECM・1069/・825591-2//ポリドール・J33J 20179

録音年月日:1975.6.

曲名:①Heyoke/②Smatter/③Gnu Suite

ミュージシャン:Kenny Wheeler (flh)/Keith Jarrett (p)/Dave Holland (b)/Jack DeJohnette (ds)

コメント:思索的で牧歌的  透明感に溢れたケニー・ホイーラーのフリューゲルホーンが美しい。その彼に絡むキース・ジャレットのピアノにも格別の味わいがある。ホイーラーのプレイは無垢な響きに溢れている。しかも、自然で雄大。クラシックに通じる荘厳な雰囲気が持ち味を端的に表している。キースも含めて、リリシズムに溢れた演奏はもっとも得意とするところ。この共演もECMならでは。(『レーベルで聴くジャズ名盤1374』から引用)

<YouTubeライブ映像>

Kenny Wheeler Quintet - Budapest 1992

Kenny Wheeler - Sweet Time Suite - LSU Jazz Ensemble

Kenny Wheeler: A Tribute To Bill Evans 1991