あの頃を思い出して。


あれは何歳だっただろうか。

たぶん、19歳くらいかな。

あの頃の私は、きっと飢えていたんだなと思う笑


そう、大好きだった私の初体験の人に振られて落ち込んでいたあの時、あいつは私に自然に触れてきた。

全然タイプでもなかったのに、寂しかった私に大人の優しさで潜り込んできた。

心地よかったし、容姿も中身も魅力のない私には、嬉しくて、振られてボロボロになった自尊心を守れた。


アイツには長年付き合って、結婚話まで出ていた彼女がいたのに。

そう、それはただの優越感。私も浮気されてたから。今で言うサレ側にいた私。悔しかったんだろうな。


私とアイツは居酒屋の社員とアルバイトの関係だった。

ずっと水商売をしていたと言うアイツは私よりも大分年上だったけど、見た目も若くって、知り合いが多くて、話上手、盛り上げ上手な人だった。


アイツは私が失恋した頃から、やたら私の事を「可愛い」と言ってくれた。


ある日、バイト先のみんなで遊びに行った。都会のバーに連れて行ってもらったりして、楽しかった帰りの車の中で、アイツの後輩にデートに誘われた。

全然タイプじゃなかったから、曖昧な答えをした。

そう、その後、アイツから携帯に連絡があったんだ。

仕事前に呼び出された。

私はなぜかその時、アイツの後輩に曖昧な返事をしたから、怒られるんだって思ってビクビクしながら指定された喫茶店へ向かった。