久しぶりの短歌。

20180401





「春」



虚しいは、
空っぽのコップなのじゃなく
澱の沈んだ透明な水



鬱という言葉のなかに
春という意味があるのと君が知る春



「帰りたい」
君が病棟から見てた
花が代わりに呟いた午後







「エイプリルフール」



助手席の私 濡らしたマスカラで、
信じて。と言った4月1日



カーディガン
白から外れた上ボタン
留めずに誘う 君は嘘でも



雨のあと
僕の気づかぬ間に君は
誰かの夜に花開かせる






春本番。
今日はエイプリルフールでした。
なんも嘘言わんかったけど。