企業や団体からご依頼を受ける研修の最終目的は、「社風を作る」です。

しかし、連続研修やコンサルティングのご依頼をいただかない限り、1回の研修で講師が社風まで作り上げることはできません。

なぜなら、社風になるには、長い時間がかかるからです。

 

①研修で知識やスキル、ノウハウを講師が伝える

②受講生が知識やスキル、ノウハウを理解する(頭で分かる)

③受講生が知識やスキル、ノウハウを納得する(腑に落ちる)

④受講生が、学んだスキルやノウハウを実践する(行動変容)

⑤受講生が実践するスキルやノウハウが習慣化する

⑥その企業や団体で、スキルやノウハウの習慣化が拡散し、社風として根付く

 

研修では、①②を行います。

講師の腕の良さや、受講生の学びの姿勢や経験から、③までは可能です。

人は頭で分かっているだけでは、行動に移しません。

納得して、腑に落ちる、それを行うことで、自分にメリットがあることを想像できなければ、行動変容しないのです。

④以降は、研修を依頼された企業や団体内で、継続的に行っていかなければ⑥に到達しません。

 

さて、ここで、効果的なことが「承認」です。

「よくがんばっているね」「こないだ研修で学んだことを実践しているね」

と、声をかけてもらえれば、やる気になります。

 

ただ、③から④の変化の際に、学んだことを納得はしているし、実践していこうと考えているけど、なかなか行動に移せないタイプの人がいます。

①から③までは、自分の中での変化です。

しかし、④の行動は、人から見える変化です。

人から見える変化には、必然的に人からの「評価」が発生します。

それが、怖いのでしょうね。

新しい何かをして、人からどう思われるかが。

 

そして、人から見られるからこそ、ここで他人からの承認が得られるわけです。

今回、このプロセスを整理することで、行動を起こせないタイプの人に必要な承認は、③の段階なのだと思いました。

「やろう」という気持ちになったことを、敏感にキャッチして、気持ちの変化が起こっていることを承認する大切さ。

「やろうという気持ちになっているんだね。あとは行動する勇気だね」

という、背中を押す一言と、自分は応援してるという意識表示。

 

行動変容してからの承認は、行動へのほめ言葉です。

行動しないと承認されないということが一般的です。

でも、行動に躊躇するタイプの人が、成功体験を積むためには、「気持ちが変化したとき」にこそ、承認をして応援していくことが大切なのだと気づきました。

 

みなさんは、承認されていますか?

また、承認をしていますか?