浮世飲み屋が並ぶ裏通りの朝に朝陽がさすまで続く鳴咽と高い笑い声。低い日本語と各国の言葉が交錯する。大音量の携帯とつつぬけの会話。呼びつけたタクシーのエンジン。原付きが走る。チカチカする赤と、頭に刺さるサイレン。救急車が今日も、誰かを運ぶ。胸ぐらに沸き上がる不愉快な感情。トラックの抜け道にカラスが仲間を呼ぶ声。散らかったゴミを漁る黒い集団。俯いた人達が駅へ急ぐ。踵が取れたヒールがアスファルトをカンカン叩く。うつつを抜かした夢の後。