【ふるさと便り】

 和歌山県のレッドデータブックで準絶滅危惧(きぐ)種に指定されているハマボウの大きな群落が、白浜町富田の富田川と高瀬川2つの川の河口近くの湿地帯や砂州にあることがわかり、地元有志が観賞しやすいようにと手作りの遊歩道を設置した。夏には大輪が咲き誇り、関係者は「大勢の人にハマボウを楽しんでもらいたい」と話している。

 ハマボウはアオイ科フヨウ属の落葉低木。近畿の自生地は県内だけとされ、御坊市の日高川河口や那智勝浦町の太田川河口、ゆかし潟が群落として知られる。樹高3~5メートルで、直径7~8センチの黄色い大輪を咲かせる。花は朝咲いて夕方咲き終わる「一日花」だが、次々と花をつけるため、6月末から8月いっぱい楽しめるという。

 以前から群落の存在は知られていたが、周囲に高さ4、5メートルものメダケが生い茂っていたこともあり、放置されたままだった。このため、富田区長の脇本敏功さん(68)や、脇本さんが代表を務める富田区環境保全向上活動組織のメンバーが3年前からメダケの伐採活動を実施。同時にハマボウを観賞しやすいようにと、遊歩道を設置した。

 遊歩道は、周辺が珍しいカニの生息地にもなっていることから、地面から約60センチの高さに設け、延長約260メートルにわたって幅約80センチの板を敷いて作った。ほとんどが手作りで杭なども廃棄された間伐材を譲ってもらい使ったため総工費は70万円程度で済んだという。

 脇本さんは「ハマボウは何本あるのか分からないほど多い。シーズンになれば遊歩道から存分に楽しめるでしょう」。近くコースの途中に大勢が憩える広場も板を敷き詰めて作ることにしている。

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