今回は立野神社(たつののじんじゃ)。所在地:犬山市上野郷1506
訪問日:2009年11月29日

     492句は次の通りである。
      風に舞う落ち葉の先に道真公         (桐山芳夫)
 延喜式に立野神社とあるので、ここの神社のことかと思うが、岩倉市や一宮市などにも立野天神社があるようなのではっきりしない。が、後述するように当社の主祭神は菅原道真公と見られるようなので、当社かと思う。

     493句は次の通りである。
      鳥居をくぐってまっすぐ本殿に        (桐山芳夫)
 こぢんまりした神社で、石段をあがって鳥居をくぐると、すぐに透垣(すいがい)があり、本殿に通じている。当社の祭神は、菅原道真、応神天皇、玉依姫命の3神である。その主祭神は、天満宮とも呼んでいるようなので、菅原道真公であろう。

     494句は次の通りである。
      狛牛は不思議なるかな紅葉落つ         (桐山芳夫)
 神社の守護神は多くの場合、狛犬だったと思う。ところが、当社の場合、牛になっている。狛牛と呼んでいいのだろうか。天満宮は本山が太宰府天満宮だが、私の記憶ではその守護神は狛犬となっている。犬より牛の方が大きく強いからだろうか。

     495句は次の通りである。
      全体に風格ありし百舌の声           (桐山芳夫)
    多くの神社の本殿はは50年前後に建て替えられる。が、当社は村社として大正初期以来そのままで100年を越す。つまり、それだけ古いままである。障子が貼られ、どこか風格が感じられる。

     496句は次の通りである。
      赤鳥居始め五社あり赤とんぼ          (桐山芳夫)
 こぢんまりした神社ながら、五社の境内社が祀られている。天神社、八幡社、稲荷社、熱田社、福宮社の五社である。中でも大きく造作された稲荷社の赤い鳥居が目を引いた。商売繁盛の神様である。

                  (2022年1月31日)