今回は白山社(はくさんしゃ)。所在地:小牧市間々字片山41
訪問日:2009年11月29日

     482句は次の通りである。
      トンボ飛ぶ正体不明の白山社          (桐山芳夫)
 小牧市の白山社は正体がはっきりしない神社。式内社なのかどうかはっきりしないのである。式内社調査は由緒等不詳と記し、「中世以後衰退し、秀吉の小牧・長久手の戦いで、焼亡」と付記している。

     483句は次の通りである。
      これがまあ式内候補冬真近           (桐山芳夫)
 冬目前にして当社に入ると式内社という面影は感じられない。延喜式に書かれている片山神社の候補だというのだがはっきりしない。「秀吉の小牧・長久手の戦いで、焼亡」というのだからやむを得ないのだろうが、神社名も白山社となっている。

     484句は次の通りである。
      石川の白山総社ミカン良し           (桐山芳夫)
 もしも、名前どうり白山社なら、石川県白山市の白山社が総社ということになる。が、式内社の候補というだけで片山の人達には十分。やはり地元の人々には大切な大切な神社に相違ない。

     485句は次の通りである。
      こぢんまりそれも神社よ赤とんぼ        (桐山芳夫)
   焼亡した神社もこぢんまりながら片山の人々が再建しただろう社。どんな神社も千年以上前に記された式内社とあればかけがえない。その祭神は吾田鹿葦津媛命(あたかしつひめのみこと)で、その曽孫が神武天皇とされている。

     486句は次の通りである。
      名もなき境内の二社秋の暮れ          (桐山芳夫)
 小社ながられっきとした境内社が二社存在している。私の見落としかもしれないが、社名が見当たらない。どこまでいっても謎めいた神社、白山社バンザイ。どこか心惹かれる神社だった。

                  (2022年1月16日)