今回は坂手神社(さかてじんじゃ)。 一宮市佐千原宮東91
再訪日:2011年6月26日
訪問日:2009年11月16日

     447句は次の通りである。
      夏涼し坂手神社にポンプあり          (桐山芳夫)
 坂手神社に訪ねたとき、珍しいものを見かけた。手動式のポンプである。子供の頃、私は保育園に通っていた。確か手押し式のポンプがあった。75年余も前の話である。井戸から地下水を汲み上げるあのポンプだ。懐かしさがこみ上げてきた。

     448句は次の通りである。
      青々と楠茂るそれもよし            (桐山芳夫)
 楠(くすのき)といえば紅葉づいたのが見頃。だが、私が訪ねた時節は真夏。両手を広げたように、天に向かって、青々とした葉が生い茂っていた。どこか新鮮で勢いが感じられた。

     449句は次の通りである。
      高々と灯籠ありし夏の夜            (桐山芳夫)
    明治28年製の刻印のある灯籠。うず高く石で造作された基台の上に灯籠は据え付けられていた。もとより式内社だから由緒深い神社だが、この灯籠も負けず劣らず風格が感じられた。

     450句は次の通りである。
      梅雨期に相応し水の神祀る           (桐山芳夫)
 当社の祭神は高水上神(たかみなかみのかみ)で、大水上神(おおみなかみのかみ)の御子とされている。海運、水運、灌漑等水を司る神で、木曽川水系による氾濫地帯に相応しい祭神といえる。第十一代垂仁天皇の御代に遡り、皇女倭姫命(やまとひめのみこと)が祀ったとされる。その姫は伊勢神宮の創始者として有名で、当社は神宮と関係が深い。

     451句は次の通りである。
      水の神大切に祀らる末社群            (桐山芳夫)
  本殿の他に境内社として、八幡社、八剣社、春日社、富士社及び住吉社の5社が末社として存在する。これらは洪水のたびに失われた末社群かと思われるが、説明板がついていて、在地では末社群も大切にされているようだ。

                  (2021年12月11日)