第153句は次の通りである。
        見る限り全山梅のほころびぬ          (桐山芳夫)
    やや気が早いが、岐阜の梅林公園を思い起こして作句。梅林公園には多種多様の梅の木が植えられている。2月から3月にかけて相棒を誘って、毎年、公園に二から三回出かけていた。広場にござを敷いて家族連れが梅を楽しんだり、バトミントンに興じたりしていた。

     第154句は次の通りである。
        寒の入り死ぬかと肺が悲鳴あぐ         (桐山芳夫)
  肺炎球菌に見舞われてから、二度目の寒の入り。今回は病は少々良好。本句は前回の作句だが、転んだりすると、通りがかりの人に助けられたことも幾度かある。自力で起きられず、ほんとにそのまま死ぬかと思った。今回はこのままいけば、肺が悲鳴をあげずに済みそうだが・・・。

     第155句は次の通りである。
      もう一度梅林見たし岐阜の園          (桐山芳夫)
     第153句に作句した梅林だが、こうして行けなくなってみると、思いだけが梅林公園へ飛ぶ。ああ行きたい、ああ行きたい、と・・・。展示された蒸気機関車がもう一度見てみたいと・・・。

     第156句は次の通りである。
        大寒や震える五指で月仰ぐ          (桐山芳夫)
    これも昨年の作句。当時、手のむくみが取れず、月を仰ぐのがやっと。指が震えて五指が定まらず、蜜柑をつかむのもやっとという状態だった。が、月ばかりは、いつものごとく澄んで美しかった。

     第157句は次の通りである。
        英会話仲間と語るチュ-リップ       (桐山芳夫)
    すっかり縁遠くなってしまったが、英会話クラブの例会に30分ほど早く着いたことがある。すると、いち早く到着して玄関のソファで時間待ちをしている仲間がいた。玄関先に、チュ-リップが咲いていて、それを背後にしんがら、色々語り合ったことがなつかしい。

                ( 2021年1月7日)