ドクチョウに似せて、鳥に食われないようにする
蝶って、
あえて、似せたのか?たまたま、そうなったのか?
 
毒を持っていない蝶が、となりで飛んでいる蝶を見て、
「あっ! あの蝶は鳥に食われにくいから、次の子孫から
模様を真似しよう!」とか、ならないと思う。
 
そういう模様になる遺伝子を持っていて、それが出てきて
食われないで生き残ったものが、今も生きているんだと思う。
うっ!
これは、ダーウィンの自然選択説になってしまった。
ベイツ型擬態の場合は、あてはまるのか。
(ドクチョウに似せてる擬態をベイツ型擬態という。)
コノハムシとかハナカマキリは別途考えよう。
 
●そういう同じような模様になる遺伝子をを クリスパーキャス9で見つけてほしいな。
擬態したもの同士が、同じ遺伝子を持っていた。とか。
 
 
捕虫網の円光という本の挿絵で、奥本大三郎さんの標本写真が
擬態の模様についてわかりやすかった。
左:ドクチョウ
右上:ドクチョウに擬態したアゲハや蛾
 
擬態した
と書いてしまうと、あとから、毒蝶を真似したように
思えるけど、たぶん同じ模様が
出てきたんじゃないかな。
蛾と蝶でももとは同じ昆虫だし
 
南米の毒蝶ヘリコニウスは、アマゾン川の下流から上流で地域ごとに
模様が違っていて、それぞれに似てるシロチョウがいるらしい。
地域ごとに、発現しやすい模様があるのか。
 
 
 
 
擬態の進化(大崎直太著)やネットの情報を読むと
シロオビアゲハのメスの一部だけが
ドクを持っているベニモンアゲハに似ている。
つまり、原型型と、擬態型のメスがいるらしい。
 
本によると、オスは擬態しない。痩せてるので鳥に狙われず、擬態する必要がない。
メスの原型型は、鳥に狙われる確率が一番高い。鳥に羽を食われた跡が一番多い。
メスの擬態型は、鳥に狙われる確率が低い。しかし、寿命が短い。しかも、白い7つの紋が3個しかないため、
オスから見つけられる可能性もすくない。
↑擬態型のメスと、原型型のオスは、ビークマーク(かじられ)率が、少ない。23%、28%
 原型メスは、53%
 
 
シロオビアゲハ(原型型)
 
 
シロオビアゲハ(擬態型メス) 自分が中国広州の街中を歩いているときに、
道路に落ちている死骸を拾ったもの。2013年10月。
その時は、この蝶のことは知らなかった。
2014年11月 タイ Thai Sarabri県の友人の花畑で採集した
本家 毒蝶のベニモンアゲハ
 似てる。
 
 
 

2015年の論文を見させていただくと、なんと、遺伝子

で、シロオビアゲハのメスの擬態型と原型型の違いを

発見されていた。

一部の遺伝子の向きが、逆向きになっているものが

擬態型で、

そのままのものが原型型だそうだ。

4000万年前に、シロオビアゲハとナミアゲハが分岐したので

それ以前に、この遺伝子は、逆向きになったのでは?と

書かれている。

 

シロオビアゲハって、擬態型が、実は、もともとの種で、

あとから進化したのが、今の原型型では?

結構、アゲハにしては模様が特殊だし。7つの白い紋というのが。

 

もともとの擬態型から、すべて今の7つの紋の原型型に進化してしまいたいんだけど、

本家の毒蝶がいる地域では、擬態型が生き残って、受け継がれているのかも。

本家の特徴がいない地域では、擬態型のメスもいないようなので、

そこでは、鳥にあっさり食われて、いなくなってるのかも。

ベニモンアゲハ(ドクチョウ)の数が少ない地域ほど、

シロオビアゲハの擬態率も少ない。

 

 

 

ヘリコニウスについて

世界の昆虫3(坂口浩平著)

南米のアマゾン川の歴史と毒蝶ヘリコニウスの分科について書かれていた。

 

2018年11月 南米フレンチギアナで採集したヘリコニウス(ドクチョウ)と

マエモンアゲハ擬態した蛾。真ん中左下。

(マエモンアゲハというのは、南米採集に一緒にいった先輩が教えてくれた。)

図鑑となかなか、あわないので、特定できないものもあった。

ヘリコニウスは、アマゾン川の地域ごとに分化していると聞いて

納得した。フレンチギアナはアマゾン川のあるブラジルの右上なので

分化の一部の種類がいるようだ。

 

 

 

 

 

一番下の左下11番 アゲハに擬態した蛾。これは自分も捕まえた。

綺麗だなと思っていたら、アゲハ擬態だったとは。

 

●これからは、擬態という言葉をやめよう。

同じ模様を持った虫と言おう!(ベイツ型擬態の場合)

擬態というと、無理して真似してるように思ってしまう。

同じ模様を持った遺伝子を持った虫。

 

擬態した蝶と蛾で 同じ模様になる遺伝子が見つかればいいな。

 

 

葉っぱそっくりなバッタやコノハムシ、ハナカマキリの理由は

また、別途考えよう。

 

 

ちなみに、毒蝶ヘリコニウスは、幼虫時代トケイソウを食べているらしい。

これは、パッションフルーツだ!中国広州の田舎で たべたことある。