小学校1年生の冬。
サンタさんが誰なのか、発見してしまったの。
サンタさんの姿を見た、とか
プレゼントを隠してあるのを見つけた、ではなくね。
私と妹のところに来ていたサンタさんは、
毎年プレゼントと一緒にお手紙をくれたの。
「おかあさんのいうことをきいて、いいこにしてね」
とか、今思うとぞっとする鎖のような内容のお手紙。
お手紙を見た私は、母親に言ったの。
「これ、お母さんの字だよね?」
「この便箋、そこの戸棚に入ってるのと同じだよね?」
「サンタさんはお母さんなの?」
その時の母親の顔は覚えていないけれど
その場にいた妹が大泣きをしたのは覚えている。
当たり前よね。
夢を壊されたんだから。
妹は幼稚園の年中さんよ。
次の年の年長さんのクリスマスに
もうサンタさんは来ないのよ。
そりゃもちろん
「私のせいだ」
って思い続けるわけよね。
お母さんが緩いんだなんて、
思いもしなかったの。
妹を泣かせたのは、私なのよ。
そういえば、
「私は罪人」
と思い始めた最初のできごとは
このサンタさん事件だったのかも。