納豆やチーズの独特な香織は、発酵を司る微生物が生成する物質によるもの。(1)

納豆は煮た大豆が納豆菌で発酵したもので、ニオイを発するプロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸などの有機酸や、納豆特有の匂いであるテトラミチルピラジン(納豆フレーバー物質)が生成される。味噌ではα(アルファ)-メチルメルカプトプロピオン酸エチルエステル、醤油ではγ(ガンマ)-メチルメルカプトプロピオン亜rコールといったニオイの主成分が、微生物によって生成される。

大麦を発酵、蒸留、熟成させたウィスキーのような方向、水で練った小麦粉を発酵させてやきあげたパンも、強烈ではないが香りがある。

味は、発酵前、後ではまるで違う味わいになるものばかり。煮ただけの豆と、味噌、醤油、納豆の味は、うま味の点では発酵させたものの方がはるかに優れている。牛乳とチーズだってそう。

 

引用:

発酵食品の魔法の力(php新書)p.56