国保財政「都道府県化」から5年 | 子どもたちもお年よりも笑顔あふれる街へ

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国保財政「都道府県化」から5年 199自治体が値上げ決定

家計守るたたかいを

2022年4月25日【2面】

 2018年度に市町村国保の財政が「都道府県化」されてから、5年目を迎えました。

 「都道府県化」された制度のもとでは、都道府県が毎年、国が定めた方式にもとづいて「市町村標準保険料率」を計算して市町村に示し、市町村はそれを参考にして実際の保険料率を決定する仕組みとなっています。

18年度は一気に

 標準保険料率は、保険料負担を抑えるための市町村の一般会計からの繰り入れを行わないことを前提にして計算されるため、多くの場合、市町村が定めている実際の保険料率より高くなっており、これに合わせて改定すれば、多くの市町村で値上げとなってしまいます。

 実際、「年収400万円の片働き4人世帯」のモデルで計算したところ、都道府県化される前の17年度には、全国1736区市町村のうち、値上げした自治体は270しかありませんでしたが、18年度は一気に559に増加、19年度は448、20年度は424と、多くの区市町村で値上げが続きました。

 21年度は、コロナの影響による受診控えなどで医療費支出が少なかったことや、コロナ危機で苦しむ家計への配慮から値上げを控えた自治体もあったことから、値上げ自治体は259と少なくなりました。

22年度は、全国の区市町村のうち、「標準保険料率は公表しない」としている奈良県を除いて、1697区市町村について標準保険料率が判明しています。仮にこれらのすべての区市町村が標準保険料率通りに改定した場合を想定して、4人世帯の保険料を計算し、21年度の実際の保険料と比較したところ、65・4%に相当する1110区市町村が値上げとなってしまうことが判明しました。

 都道府県別に見た場合、埼玉と静岡は100%の市町村が値上げ、和歌山が96・7%、東京も島しょ部を除けばほとんどが値上げで91・9%、岐阜が90・5%などとなっています。

物価高追い打ち

 1面報道の通り、まだ保険料を公表した自治体が全体の4分の1にも満たないのに、昨年度値上げした自治体259の77%に相当する199の自治体がすでに値上げを決めています。このペースで値上げが続けば、昨年度をはるかに超え、18~20年度と並ぶか、それを上回るような値上げになってしまうかもしれません。

 いま、アベノミクスによって生じた円安やウクライナ情勢のもとで物価が高騰し、家計を脅かしています。新年度の国保料(税)の徴収は7月から始まり、この物価高に追い打ちをかけることになります。値上げを許さないたたかいが重要となっています。