広がる補聴器助成 三鷹市 | 子どもたちもお年よりも笑顔あふれる街へ

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広がる補聴器助成 三鷹市は18歳から

東京26市で初 上限4万円

2022年3月5日【くらし】

共産党が議案提出権を活用

 東京都の26市で初めての補聴器購入助成制度が、三鷹市(人口約19万人)で10月からスタートします。18歳以上が対象で、2022年度予算案にもりこまれました。(徳永慎二)

 三鷹市の制度で注目されるのは、対象者を、多くの自治体が65歳以上としているのに対し、18歳以上としたことです。同市高齢者支援課の大高俊彦課長は「18歳以上になると聴覚障害者手帳を持っていないと、公的な助成が受けられません。手帳がなくても医師が補聴器が必要と診断した、18歳以上の方にもお役に立てればいいと思っています」と話します。

 同市の2022年度予算案によると、助成制度の予算額は1000万円強。東京都からの「包括補助」約450万円を含みます。助成額は購入費の2分の1で、上限は4万円。本人の合計所得が210万円未満の人が対象です。

「条例案」を説明

 日本共産党三鷹市議団(4人)は、議員の議案提出権(注)を活用して、20年12月に市議会に補聴器助成条例案を提出しました。同議員団が毎年実施している市民アンケートでも「補聴器が高くて手が出ない」「高い補聴器を買ったが、雑音が入って役に立たない」などの声や意見が、少なくありませんでした。

 前年19年9月の定例本会議で、大城みゆき市議が助成制度の創設を要求。河村孝市長は「主旨は理解できるので検討したい」と答えていました。条例提案はこの質疑を受けたものです。

 条例提案から2カ月後の21年2月4日、厚生委員会は、同条例案を審査しました。

 「本日、私ども日本共産党三鷹市議団が提案した、高齢者補聴器購入費助成条例についての審査の時間をつくっていただき、感謝申し上げます」―。この日、党議員団を代表して大城市議が条例案を説明しました。他自治体の事例、認知症との関係、補聴器の調整などについて資料を添えて紹介し、制度の必要性を強調。「コロナ禍のいま、高齢者に元気になっていただきたいとの議会の意思表示を」と、各委員によびかけました。

 各委員の質問に、大城議員が一つ一つ答えました。しかし、条例案は3月の本会議で「時期尚早」(公明)と自民、公明などの反対で否決されました。

年金者組合要望

 一方、年金受給者などでつくる全日本年金者組合三鷹支部(印南泰成支部長)は、同じ年の9月に補聴器助成についての学習会を開催。11月には、河村市長あてに、助成制度を求める要望書を、三鷹生活と健康を守る会(藤沢時雄会長)と連名で出しました。

 同年12月定例本会議では、大城市議が改めて制度の導入を要求。河村市長の「真剣に検討したい。ちょっと待っていただきたい」との答弁に「早めの決断」を求めました。

 今年2月発表の予算案に、助成制度が盛り込まれたことに「条例案が否決されたので、導入はもっと先かと思っていました。よかったです。ひきつづき、補聴器を調整する仕組みにとりくみたい」と大城市議。高齢者支援課の大高課長は「相手の話が聞き取れないと、認知症にもつながり、孤立しがちになる。社会的背景として必要な制度だと考えました」と話します。

 年金者組合三鷹支部の印南支部長は「こみあげてくるものがある。諦めずにやってよかった。聞こえの問題だけでなく、閉じこもりをなくし、社会参加のきっかけになる」と歓迎します。守る会の藤沢会長は「市民の強い要望に市長が応えていただけたもので、補聴器を我慢していた方が、購入しようという気持ちになるのが大きい」と喜びます。