事象の分類研究 -242ページ目
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一度口にしたこと

「ライトフライ級ではやることない。階級上げて強いチャンピオンに挑戦する。その方がかっこええ」
亀田興毅の発言である。
この短いテキストからは、彼自身が現在の自分の状態に不満であることが窺える。つまり、階級を下げ、王座決定戦に勝つことでチャンピオンになった自分を、彼は“かっこええ”とは思っていないのだ。
では何故、自身“かっこええ”とは思えないことを彼はしたのか。階級を下げずに、フライ級で“強いチャンピオンに挑戦”すれば良かったのに…。しかし彼には、そうすることができない理由があった。それは彼が一度ならず口にした“3階級制覇”…この宣言。当初はフライ級からの3階級を考えていたのだろう。が、自分の力を分析した結果、実現するためのいちばん確率の高い方法は、ライトフライ級からの攻略だと判断したに違いない。
宣言は約束と言い換えてもいい。一度してしまった約束は、自分が望んでいなくても守らなければならない。彼にはまだ果たされていない、口にしてしまった約束がかなりある。
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