こんにちは、宇土市の中小企業診断士 東原啓介です!

ご無沙汰しました。

子供たちの入園や税理士試験受験申込などいろいろあった4月でした。

 

今朝も熊日新聞の1面に「中小企業の賃上げが伸び悩んでいる」と。

 

中小企業は価格転嫁が難しいといわれますからね。原資もないのに賃上げは無理ですね。

 

ただ、取引先の顔色を窺って、または窺いもせずに「値上げなんかしたら切られる」と値上げになかなか踏み切れない

もしくはほんの僅かな遠慮のかたまりみたいな値上げしか交渉できていない事業者さんも多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

この時代、値上げはもはや避けられないでしょう。

もう少し想像力をはたらかせてみてください。

 

値上げする⇒取引先が難色を示す⇒で?

この「で?」の部分が見えてない、計算できていない場合が多いです。

 

「値上げすれば粗利が上がるので、取引数が減ってもかえって利益額は増えることもあります(場合によっては)」

と説明しても、「机上の空論だ」とこの理屈を一切聞き入れない事業者さんもいますが、それを言ったら経営はすべて机上の空論から始まります。

例えば知り合いの税理士さんなどと話す時間を作って、数字のシミュレーションしてみてください。

思っている数字とは違う数字が見えてくるかもしれません。

 

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少し違う話ですが、数字の検証が重要となった事例をご紹介します。

私が支援している飲食店での話です。

粗利が固定費ギリギリなので値上げを勧めたときの現状認識のための会話です。

「客単価は上がってきてますか?」と訊いたところ

「少しは上がったかも。3千7~8百円くらいかな。

いや、そんなに出してくれてるかな。ここの市民性からしたらこれでも結構高いですよね」と。

 

いや、この席数と売上高からしたら計算が合わない・・・。

「直近の伝票を10件ほどさらって計算してみましょう」

と伝票をもとに売上高を客数で割ると約4千8百円。

 

「そうか、意外に高い。

そうだった、そもそも当店のターゲットはお金に余裕がある年配層の女性だった。

価格をそこまで気にする必要なかったんだ。

その数字見たら自信が湧きました。さっそくメニュー表書き替えます」

 

このように、事業者さんが感じている感覚と実際の数字は異なる場合があります。

良い場合も悪い場合もありますが、現状をしっかり認識することも重要です。

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私が以前からこのブログに書いているように、ただ値上げするっていうのは良い策ではありません。

以前から、提供する価値を高める策を練って、方向性が決まっていたからこのような話ができるのです。

 

単なる値上げは確かに危険です。ただ、そういう危機感があるから自社の改善に目を向ける機会になると思います。

 

悲観的にならず、難しく感じるかもしれませんが数字で遊んでみてください。

頭で考えているのとは違った動きをするかもしれません。そしてその数字がその日からの行動を変えるかもしれません。



中小企業診断士 東原啓介
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