株式会社同友館発行の月刊誌「企業診断」。
財務会計の有効な勉強法について載っていましたので、紹介します。
 
企業診断 2月号(2020年、第67巻) P90、91 
連載 経営革新の女王ティアラの受験サプリ
第78回
事例Ⅳを意識した財務会計の1次対策
つだ まどか さん
 
こちらの記事から、以下の3点について私の意見を絡めてご紹介します。
①「事例Ⅳの出題範囲は1次の財務会計よりも狭い」
②「共通する頻出領域に重点的に取り組もう」
③「1次財務→事例Ⅳではなく事例Ⅳ→1次財務と考えよう」
 
①2次の出題範囲は狭い
財務会計2次の勉強でよく感じるのは、出題範囲がかなり限定的ということです。
1次は対照的に範囲は広く、そのくせマーク式なので出題の形式は損益計算書の一部など局所的に出してきます。
BSやPL、キャッシュフロー計算書は、それぞれの値の符号が重要だったりします。
また各値を出すにあたり、どの資料を活用するかなども重要です。
それらは各資料の関係性から見えてくることがあります。
なので、PLやキャッシュフロー計算書を白紙から作成する機会のある2次試験の勉強をすることは、PLやキャッシュフロー計算書の全体像を把握するうえで有効だと思います。
 
②共通領域は重点的に
経営分析やCVP分析、設備投資の経済性なども1次試験の頻出論点であり、計算自体も1次と2次でそこまで差はありません。
そして、計算に必要な情報(数値)だけを与えられる1次の問題より2次の問題では、この計算が何に活かされるための計算なのか、ということまで何となくでも理解できると思います。
先の投稿で私は「1次の前に2次の学習は不要」と述べていますが、財務会計は確かに2次の勉強が1次にも効果的だと思います。
 
③事例Ⅳを見ておくことで財務諸表に慣れる
事例Ⅳは他の3事例に比べ与件文が短く、また経営分析以外は基本的に財務諸表と各設問文を利用する単純な計算問題なので、勉強法は1次とそこまで違いません。
FCFを出したり、WACCを出したり、変動比率を出したりと、それぞれの問題で小問に分け段階的に計算をします。
(1つ間違うとその後が総崩れとなる点で2次は怖いです)
なので1次とは違い、流れの中で計算を行うので、各財務資料の構成や扱い方が頭に入りやすいです。

まとめ
財務会計1次の勉強で行き詰まった時には、事例Ⅳ対策のテキストなど購入して勉強されることをおススメします。
1次も解けないのに2次かよ、と思う程苦手な方は2次の解答(計算)例をひたすら写すだけでも結構です。
やれることから始めていると知らないうちに身についていることもあります。
財務会計の1次試験について私が思う「6割を100%理解して60点取る」に近づける勉強法だと思います。
余力があればまた1次テキストに戻って細かい点を学習してレベルアップを目指してください。