「くじけたら 変わることなど何もない」
ある日学校があるのに事務所から電話がきた。
「ヨンベ、スケジュールがブッキングして君が代わりに舞台に立たなければならない。○○電車の駅にすぐに来て。」
練習生の時期、時々先輩が出演しなければならない舞台に代打に入ることになる時があった。電話を受けてイベント場所にあたふたと走って行った。ちょうど期末テスト期間だったので授業を抜けなくてもよかったが、問題は次の日にも試験は続くということだった。
舞台に上がることができるチャンスは、ざらにある事ではない。私は全てを差し置いてイベント場所に走って行った。
ところが電車の駅に到着して電話をかけたところ、事務所の誰も出なかった。多分イベント準備のために忙しくて出なかったようだ。結局どうもこうもできなくて路上でまた連絡が来ることだけをひたすら待った。そうして3~4時間ぐらい過ぎたのだろうか?やっとマネジャー兄さんに連絡がついた。
「兄さん、あの○○電車の駅の前ですが。今ずっと待っています。」
すると兄さんはびっくりした。
「何?まだ待っていたの?」
「はい。」
続けられた兄さんの話は残念なものだった。
「イベントはすでに終わった。お前来ないと思ってそのまま抜きで行ったよ。舞台が終わったのはいつだったかな。もう練習室に帰って。」
どこにいっても練習生というのは、運搬中に落としてしまっても、戻って拾わない荷物の塊と変わらない。何かをうまくやるかも知れないし、教えるのに苦心した努力を全部一瞬で潰してしまうこともあるような、それこそ磨かれてもいない石の塊。
「私をちょっとは認めて下さい!」と叫んだり、つまらない愚痴を言う時間があるなら、いっそ歌一曲、踊りをもう一度練習して実力を積む方が良い。
私はこの待っている間「肯定的な面」を一生懸命に捜し始めた。
幸い次の日の試験は大部分暗記科目中心であった。どうせ電話がつながるまで待たなければならない3~4時間の間、私は時々試験勉強をしていた。
人々が多い場所で集中して覚えたから、頭の中にすっと入るような気がした。私はまた再び自分に言い聞かせた。
「幸いその時間に試験勉強をしたおかげで、今は帰って練習をもっと長くすることができる。寒くて腹がへって少し佗びしいけれど、何この程度なら大丈夫な状況じゃないの?」
デビュー前までの時間は、私自身を強くさせていく焼き入れの期間だった。鋳鉄になるまで火に熱して槌でがんがん打ち下ろして、また冷たい水に入れて“ぷしゅっ~”と冷ましては熱くする時間・・・・
疲れてへたり込むようなことはあっても、くじけてしゃがみこむ時間などなかった。称賛や激励どころか無視されている中でも、ずっと楽観してずっと肯定して実力を積むのが、練習生の最も重要な任務だということだ。
