Stage2 正直な努力はどこででも輝く  疾走本能 テヤン
 
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「飛び出しなさい。じっと留まっているのは魅力的ではないですから。
昨日と違う今日だけが、希望に満ちた明日への条件なのです。
そしてその希望に満ちた明日のために、
私たちは今日も汗水たらしてがんばるのです。
お見せします。私の恥じない汗の記録を。」
 
 
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私に「運命」は、
あたかも「偶然」のように訪れた
 
しびれる様な「ワイルド ロード」を進め
 
高等学校の友人の中に、狂ったようにゲームが好きなやつがいた。本当に「ゲーム狂」という以外に、そいつを表現する言葉は見つからなかった。
夜を明かしてゲームをするだけでは物足りなくて、朝学校に来る直前までネットカフェでゲームをすることもしょっちゅうだった。もはや「好き」の水準を越えて、そいつのゲームの実力は超感覚的で動物みたいだった。プロゲーマーのイム・ヨファンがそうだったのだろうか?新しいゲームが発売されれば一番にクリアしてバグまで捜し出して資料を作って回すほどだった。
ある日そいつと偶然話す機会ができた。きびしい練習生生活を継続するのに、学校に行く日より行けない日のほうが多かったが、友人たちと話すことだけが私の短い学生時代の大切な思い出として残るので、疎かにするまいと努力もしていた。
「おい この野郎、お前の夢って何だ?
ゲームがそれほどまでに好きで、なおかつ運も良く、ものすごくできるやつと思っていたので、その情熱と実力に似合った返事が返ってくることを期待して私は尋ねた。
「え? あぁ・・・そりゃあもちろんネットカフェの主人だよ!そしたらお金出さないで思い切りゲームできるじゃん。」
「何だって?!!」
 
もちろんあくまでもそいつの夢なのだから、良いとか悪いとか言える訳ではない。だがそいつの夢に、もう少しもっともらしい答えが返ってくる事を期待していた私はガッカリしてしまった。
「この野郎・・・!お前ならもっとすごいことが出来るのに、なんでもっとでっかくてカッコイイ夢を持たないんだ?」だが私はそいつにとてもそう話すことなどできなかった。そいつにはそいつの人生がある。そして自ら選んで決めたことなのだから、十分に尊重される権利がある。だが今でもチャンスがあるならば、その友人に勇気を出して言いたい。「世界的なプロゲーマーになりうる人が、そんな小さな夢を見るのは明らかに大きな損失で間違い」だと。
 
「歌手」という夢を具体化させ始めて、私は正直言って学校がつまらなかった。いや正確に言えば、学校の友人たちや先生が嫌いになった訳ではなくて、私たちの学校が持っている「遅れ」に少し失望したという方が合うだろう。目的と意味なく反復される無意味な学校の管理、不合理で非効率的な勉強方法、不条理なシステムに対しての不満がたくさん積み重なっていたようだ。
だが何より我慢できなかったのは、その中に閉じ込められてあたかも明日がないかのように「だらだら」一日一日を送る何人かの友人等を見る時だった。幼い私の目にはその友人たちが「一日」という人生の大切な一片一片をとても虚しく目的なく送るように見えた。自分に都合のいいことだけをやり、先生たちにおこられなければ良くて、成績が少し上がれば喜んで、自販機で飲み物選ぶように真剣に悩む事なく進路を選んで・・・。
 
私はその友人たちと共に味わい楽しんだかもしれない「安定した未来」と「幸せな日常」の楽しみを手放した。その手放したことに対して、いつか後悔する日がくるかも知れない。それでも私はその未練を捨てて、少し早く外の世界に出てくる事を選択した。
 
少し退屈だけど、親切な表示板が付いている安定した道路、いわゆる他の人々が「スタンダード(Standard)」と呼ぶ黄色い舗装道路から抜け出して、私は茂みが生い茂ってどこにのびているかもわからない「ワイルド ロード(Wild Road)」を選択した。その道を選択した瞬間、他の道に行くチャンスはなくなった。私は友人たちが感じる喜びを感じることはできないし、友人たちは私が感じる喜びを感じることはできないだろう。
運命的な「私の夢」との遭遇はある日突然偶然のように訪ねてきた。