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ビッグバンは実力派? いいえ努力派!
 
デビュー前からビッグバンというグループについて、多くの話が飛び交っていた。「ヒップホップするアイドル」、「実力派アイドル」、「差別化されたアイドル」・・・・ある者は「それでも相変らず企画会社によって作られるんだ」といった。
ぴったりな言葉だ。ビッグバンは「作られた」アイドルだ。どれ一つとしてタダで与えられず、メンバー各自が自分の才能の花を咲かせて、また自分の限界を跳び越えて、汗と涙で「作られた」アイドルだ。ある人は作詞、作曲、プロデュースまでする私を「一人ですべて行う」と評した。だがそれは明らかに間違った言葉だ。ビッグバンは曲を一つ作るときでも私たちのイメージ、私たちのカラーを生かすために、5メンバー全員が死に物狂いで取り組む。
自分のパートを録音するときは、誰かれ関係なく、歌詞と曲に合う感じと声を捜し出すために「自ら納得するまで」録音をする。周囲がいくら「もう充分だ。」とか、「よかったよ。」と止めても効果がない。
 
人々が何と言おうが、ビッグバンは「実力派」というよりは「努力派」に近い。チーム内で各自の色を出すために努力して同時に調和を作り出す。
私たちは誰かによって作られたアイドルというよりは、自分たちによって作られて発展する「自己発展型アイドル」ということができる。
T.O.P兄さんの声は「優れたラッパー」であることだけでなく、人間的に人を引きつける力がある。ラップする時だけでなく、話す時でさえ何か動物的な色気が感じられるその声は、チーム全体の中心になったりシナジー効果を与えたりもする。
テヤンの場合は、見るたびに人を驚かせる。じっとしている時は純真でとても静かな友人だが、ひとたび舞台に上がれば、かっこよすぎるくらい強烈な印象を与えて完ぺきに近い舞台を見せる。時々「あの友人が私とともに6年間練習してきたヨンベなのか?」と思う程誇らしい。
テソンは高性能なエンドルフィン製造機のように、明るくて賢い。悲しい歌を歌う時は「感情」を入れて悲しい感じをよく表現し、演歌を歌う時はベテラン演歌歌手に劣らない、堂々とした味わいのある姿を見せる。テソンはまるで状況によって自分の色を変えることができるカメルレオンのようだ。
スンリは少年から青年へと変わる境界にあるのだろうか? 普段は親しい弟のような存在だが、舞台に立てば男性らしい魅力が伺える不思議な雰囲気を持っている。ソロ曲の「STRONG BABY」を作曲してプレゼントしたところ、一人で振りつけを考えて着実に自分の舞台へと変化させる程、熱情的で努力派だ。
このようにすべてのメンバーたちは、今日より明日は別人だと感じられるほど見違えるようにスクスク成長し、全員の時には調和を作り出して引き立って見えるようにしてくれる。
 
時々ヨンベは私に「ビッグバン結成以前に私たちの二人デュエットでデビューしていたらどうだったのか?」という話をすることがある。簡単に想像することなんて耐えられないことだ。簡単に想像なんてしてはいけないことだ。
互いに違う長所を持った今のビッグバンは、あたかも一つの円を構成するために集まった五つの欠片と同じなのだ。奇跡ともいえる私たちの出会いに対していつも感謝していて、芸能人として有名になったとことよりも、ビッグバンの一員であるということに、より一層の感謝をしている。
ビッグバンは舞台の上で最も光を放つ。5人全員強いエネルギーを持っているが、その5人が一つになればさらにすごいシナジー効果を作り出す。
私が才能を誇る前に、謙遜さと節制を学んだことは、グループ活動で得た最大の教えだ。メンバーたち全員がビックバンという名前の下で、お互いが輝けるように自分自身をきちんと調節してくれることは、感謝の言葉では言い表すことができない。
 
日本でコンサートをした時のことだ。公演が終盤にさしかかった時、突然音響に問題が生じて音楽が途中で止まった。誰も予想することができない事故に、舞台の上には静寂だけが流れたし、客席も慌てたようにざわめいた。
そのとき突然誰かが、即興でビットボックスをやり始めた。また誰ということもなくそのビットボックスに合わせてラップをし、誰かは掛け声を入れ、誰かは拍手して観客らに呼び掛けた。ただの一度もそのような状況を予想したり、練習したことなどなかったし、そのような状況に備えて計画を立てておいたこともなかった。だがこの危機的状況の中でまだ何秒にもならないうちに、私たちはいちはやくアイコンタクトして、その視線の中に深い信頼と信頼を交わしてお互いを信じあった。
舞台から降りた私たちは、何も話すことなくお互いを抱き合った。