私も時々お世話になっている自動車運転代行ですが、タクシーと同様当然許可が必要なものです。
それについて書いてゆきます。
1.自動車代行業とは
自動車運転代行業とは、飲酒した客に代わって客の自動車を運転し、客と自動車を自宅まで送り届けるサービスを提供する事業であって、下記の①~③に該当するものをいいます。
①主として、夜間において客に飲食をさせる営業を営む者から酒類の提供を受けて酒気を帯びた状態にある者「酔客」に代わって自動車を運転する役務を提供するものであること
②酔客その他の当該役務の提供を受ける者を乗車させるものであること
③常態として、当該自動車に当該営業の用に供する自動車が随伴するものであること
自動車運転代行業の一般的な業務形態
自動車運転代行業者は、利用者から依頼があった飲食店まで通常2人で行動し、そのうちの1人が利用者の自動車を運転して利用者宅まで向かい、もう1人が随伴用自動車(運転代行業者の自動車)で利用者の車を追走します。 利用者は利用者の車に同乗します。
<注>以下のような場合は、自動車運転代行業に該当せず違反になるので注意が必要です。
- 利用者を随伴用自動車に乗せる行為は、タクシー事業(旅客自動車運送事業)を無許可で行うことになるため、道路運送法違反となります。
- 利用者の車に利用者が乗らない場合は、運転代行業者がただ車を運んでいるだけなので「陸送業」になってしまいます。
自動車運転代行業を営もうとする場合は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署に申請書類を提出して、都道府県公安委員会の認定を受けなければなりません。
※認定を受けないで自動車運転代行業を営むと、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金又はこれらを併科されます(自動車運転代行業適正化法第31条)。
2自動車運転代行業認定の要件
自動車運転代行業認定の要件は、以下の1~4です。 申請に際して、これらの要件を満たしていなければなりません。
1.第二種免許を取得している者がいること
顧客車(代行運転自動車)を運転する者は、タクシーと同じ普通第二種免許を所持していなければなりません。
※二種免許を所持せずに顧客車(代行運転自動車)を運転した場合は、無免許運転違反として処罰されます。また、二種免許のないことを知っていて業務に就かせた場合には、使用者等も「無免許運転の下命・容認違反」として処罰され、結果として罰金刑以上の刑に処せられた場合は認定が取り消されることとなります。
※ただし、随伴用自動車の運転者は第二種免許を持っていなくても構いません。
2.安全運転管理者がいること
自動車運転代行業者は、随伴用自動車の台数にかかわらず、営業所ごとに下記に記した条件を満たす安全運転管理者を配置しなければなりません。
安全運転管理者の要件
- 20歳(副安全運転管理者が置かれることとなる場合にあっては30歳)以上の者であること
- 自動車の運転の管理に関し2年(公安委員会が行う教習を終了した者にあっては、1年)以上の実務経験を有する者又は自動車の運転の管理に関しこれらの者と同等以上の能力を有すると公安委員会が認定した者であること
- 道路交通法第74条の3(運転代行業法19条の読替え規定を含む)の規定による命令により解任された者は、解任の日から2年を経過していること
- 過去2年以内にひき逃げ、飲酒運転など重度の違反行為をしていない者
また、下記のとおり営業所ごとに使用する随伴用自動車の台数により副安全運転管理者を配置しなければなりません。
随伴用自動車の台数 |
1~9 |
10~19 |
20~29 |
30~39 |
40~49 |
副安全運転管理者の人数 |
0 |
1 |
2 |
3 |
4 |
副安全運転管理者の要件
- 20歳以上の者
- 自動車の運転の管理に関し1年以上の実務経験を有する者、自動車の運転の経験の期間が3年以上の者又は自動車の運転の管理に関しこれらの者と同等以上の能力を有すると公安委員会が認定した者であること
- 道路交通法第74条の3(運転代行業法第19条の読替え規定を含む。)の規定による命令により解任された者は、解任の日から2年を経過していること