「あの人をリスペクトする・・・」
流行り言葉のように若い人が言っています。
お願いですから、あなたは日本語を使ってください。
「尊敬する」「敬意を表す」という意味で使っていると思いますが、カタカナで書くと軽いような気がします。
人との関係において大切なのは、「尊敬」よりも「尊重」です。「尊重」の意味は、尊いものとして大切に扱うことです。
「その人を大切に思う」「自分中心に考えない」という言葉が浮かんできますが、実はこれがとても危険です。
呪文のように「この人を大切に」と頭でいくら考えても現実は変わりません。
抽象的な言葉は、いつまでも実行できません。
では、具体的に相手を尊重する行動とはどういうものだと思いますか。行動のひとつとして、「この人の話をとことん聴く」としたらどうでしょう。
単純なことですが、やってみると結構むずかしいものです。
誰でも人の話を聞きながらいつも別のことを考えています。私もそうです。「このあと何を言おうか」と頭の中で自分の言葉を作っています。
これで会話が続くのも確かです。
人の話を100%聴くことは実はとても大変です。
でもこれが相手を尊重することに繋がります。
「そんなはなし・・・」と思うこともあります。興味を持てないこともあります。
でも相手の話をとことん聴いてみてください。
でも、「すぐ自分中心で考えてしまう」という心のくせに気づいたなら、「この人の話をとことん聴く」という行動は、試してみたいライフスキルです。
ライフスキルとは、「人が生きる術」です。
よくよく聞けば、相手の価値観や自分との違いなど、発見できることは多々あります。自分の持つ価値観に改めて気づくこともッ出来るのですよ。
「尊敬する人は誰ですか」と聞かれて、思いつくのは「スゴイ」と思う人。今の自分ではとても太刀打ち出来ないと思う人。でもその出発点はいつもあなたで、「あなたが望むモノを持っている人」です。
今、目の前にいる人は、昨日のあなたと同じように悩みを抱えて、あなたに助けを求めて話し始めようとしています。
この時の出発点は、あなたでなく目の前にいる友人です。
だったら、尊重して話をとことん聴いてあげてください。