高知県佐川町の牧野公園は
牧野富太郎関連の山野草の
植栽管理に力を入れている自然公園
訪れるたびに新しい発見がある
さくらまつり開催中で大賑わいだが
この時期は桜とツツジの競演が見られ
楽しみのひとつだが
殆どの人は桜ばかりに目が行ってるようだ・・・
桜もえいけんど
ツツジもこじゃんとえい!
土佐弁で
こじゃんとは、たくさん
えいは、良い
心惹かれる つつじ花
つつじ花 にほえ娘子
桜花 栄え娘子 汝れをぞも
(万葉集)
ふと・・・
「つつじ花 匂え乙女」とつぶやく
まさに瑞々しく
輝くような美貌の乙女が彷彿される
「つつじ」の語源は
次々と咲く「続き咲き」が訛ったもの
あるいは花が筒状であることから
「つつ」と呼ばれ
次第に「つつじ」になったとか・・・
桜が散り爽やかな気候になると
野山を美しく彩る主役はツツジだ
えぇ、桜ももちろん良いが
私的には
ここ牧野公園の魅力ひとつである
ツツジの仲間を押したい
ツツジもえいえい!
こじゃんとえいき!
自然界に出現した
ツツジの変異種が
たくさん植栽されていて
希少な種類を
見落としてしまわないように
見て行こう・・・
一番に目についたのが・・・
優しい桜色のツツジ
メンツツジ(雌躑躅)だ🥰
メンツツジことフジツツジ
フジツツジ(藤躑躅)
牧野富太郎が
高知県の須崎市桑田山で採集した
標本をもとに
1904年に新種として発表
オンツツジ(雄躑躅)と同じく
高知県を代表するツツジの仲間で
オンツツジに対して枝ぶりが繊細なため
メンツツジ(雌躑躅)とも呼ばれる
3~4月、枝先の1個の花芽から
藤色の花を1~3個咲かせる
おっ、咲いてますねぇ
高知を代表するオンツツジ
オンツツジ(雄躑躅)
牧野富太郎が命名
里山のアカマツ林や
落葉広葉樹二次林に生える
朱色の大きな花を咲かせる
放置された里山林では
スダジイなどの高木に覆われて
徐々に減少しつつあるという
高知の山には
オン(雄の意味)とメン(雌の意味)の
ツツジが咲きます。
オンツツジは雄々しく
メンツツジは女性的な印象なのかな?
オン(♂)とメン(♀)両方見られました
こちらもオンツツジ
ムラサキオンツツジ(紫雄躑躅)
こちらもオンツツジ
シロバナオンツツジ(白花雄躑躅)
オンツツジの基本は朱色
蜜標のある花びらは
色が濃くなるものが多いね
なじみ深いミツバツツジの仲間
トサノミツバツツジ(土佐の三葉躑躅)
ミツバツツジの変種として
1893年に牧野富太郎が
基準産地を横倉山として学名を記載
花は通常3つづつ付く
ミツバツツジと比べて葉先がとがらず
雄しべは7~10本
ここには
トサノミツバツツジの純白種もあるそうだが
みつけられなかった💦
ツボミだけど
キシツツジ(岸躑躅)の白花
キシツツジの基本は、薄いピンク色だ
こちらもツボミ
シロバナウンゼンツツジ(白花雲仙躑躅)
こちらは六甲山でも見かける
私好みの小さくて可愛い白い花
桜色のツツジ
その名もサクラツツジ(桜躑躅)
高知県内では
四万十市勝間川周辺のみ
葉は3小葉からなり
混生するオンツツジに似るが
本種は常緑で革質
ゲンカイツツジ(玄海躑躅)
モチツツジの変種(花弁が細い)
園芸品種でモチツツジ花車ってのがあるけど
これは?
アケボノツツジ(曙躑躅)
お馴染みの
ドウダンツツジ(満天星躑躅)
いろんなツツジに出会える牧野公園
挿し木ができないオンツツジなど
ここのボランティアさんが接ぎ木で
増殖したものだそうだ
牧野公園も多くの花見客や
バスツアーなどの観光客でにぎわっていた
でも、残念ながらどのツツジが
どれだけ珍しいのかを知らないままが多く
すごくもったいないなぁ~と思った
ツツジの花言葉には、「節度」、「慎み」、
「私のためにお身体大切に」等があるそう
。。。ということで
節度を持って慎み身体を大切にしなくちゃね
生くる物 生きの相の美しさ
ここに示せる 躑躅の花かも
(佐藤佐太郎 )
花曇りで
ツツジは八分咲きでしたが
牧野富太郎も愛した
ツツジ咲き誇る季節はもうすぐだ
ツツジといえば
子供の頃
道端に咲くツツジの蜜を吸った方も
多くいらっしゃるのでは・・・
ツツジは低木なので
小さな子の目線にちょうど花の顔が向かう
ただし・・・
ツツジでも毒のあるものもある
ひときわ鮮やかな
オレンジ色のレンゲツツジは
別名「ベコツツジ」「ウマツツジ」と呼ばれる
牛や馬の大好物だからではなく
なんと!!
食べたら呼吸停止をおこすかもしれない
要回避ツツジ!!
ツツジは漢語で書くと
躑躅(てきちょく)
足踏みする・足が止まるという意味
良い意味ならば
「見る人が足を止める美しさ」だが
中国では羊躑躅
葉を食べた羊が
足をバタバタさせ地を蹴って死ぬ
という・・・
ツツジが麻痺毒を含むことから
こう名付けられ
古くから殺虫剤などに利用されてきた
紀元前にはギリシャ軍の兵士たちが
ツツジ属のハチミツで
中毒を起こしたという記録も残っている
以前、トルコ産のハチミツで
中毒というニュースがありましたね
それもツツジの蜜毒でした
日本の養蜂業では
レンゲツツジの咲く場所や
開花時には蜜を採らないなどの
対応をとっているそうだ
レンゲツツジは
普通に庭木もなっている
他にもツツジには
弱い毒を含む種類があり
懐かしむあまり
やたらに蜜を吸ったり
お子さんに勧めたりするのは
危険かもしれないので要注意!!



















