シルバーウィーク 二日連続の森林植物園。
昨日は朝からお天気も良く、朝早くからたくさんの人出。
連チャンの‘はぎのを使った工作’担当
何人かの常連さんから、
「あらっ今日は散策会の案内じゃないの、残念」と
うれしいお声をかけていただきました
一昨日は、魔法?のホウキが大人気だったけど、
昨日は難しい萩と竹を使った花器が人気でした。
これ見てみて~と、できた作品を披露してくれる子供たち。
笑顔をお見せできないのが残念。。。
午前午後とも途中で休憩もできないほど、
次々と大盛況でした。
午後は、満員御礼でお断りしたほど。
もう、帰る頃はお手伝いスタッフもぐったり。。。
でも、うれしい疲労感でありました。
大人気のベテラン職員のFさんの観察会
ボランティアガイドのお仲間による、
秋草の散策会もたくさんの方が参加されたそうです。
その秋草の散策会では通らないところですが、
つつじ・しゃくなげ園の途中にあるツクバネの木があります。
季節は、実りの秋。
多くの植物が実をつけて、
次の世代に命を繋ごうとしています。
そんな中でじっくりと成熟の時を待っている植物、
ツクバネもそのひとつ。
生態面での不思議さがあって、
なかなか興味のあるおもしろい植物だ。。。
雌雄異株なので、実がついている木を探そう。
うん?どこに実があるの??
この時期まだ緑色の実は葉っぱと同化して見つけにくいけど。。。
ほらほら。。。ちゃんとココにありますよ~
今の時期は、同じ緑色なのでわかりにくいのですが、
不思議なくらい可愛らしい実を先端につけていますよ。
植物たちが子孫を残すために工夫された種子には、
さまざまなバリエーションがあり興味がつきないが、
なかでも「ツクバネ」の種子(果実)の造型は美しくもおもしろい。
ツクバネ(衝羽根) ビャクダン科 ツクバネ属
あまり聞いたことがない、ビャクダン科に属する。
雌雄別株の落葉低木だ。
本州・四国そして長崎・佐賀など九州北部に分布。
同属植物は日本には本種のみ。
東アジアや北アメリカに3種が分布しているという。
一見独立した木のように見えますが、
見ただけでは分からないけど。。。
この植物は見かけによらず、
他の木の根から栄養を得ているのだそうだ。
そう、単独では生息できないのです。
近くにあるスギや、ヒノキの木から栄養を得ているという。
他にもアセビやカエデ類などにも寄生するようです。
緑の葉をつけていて自分で光合成も行っているため、
正確には「半寄生」ということになりますね。
森林植物園のツクバネはけっこうしっかりした木。
こんな大きな木が半寄生植物とは思えない。。。
どのように寄生しているのだろう?
自分より頼りがいのある別な木がそばにいないと
枯れてしまうんですって
根には吸盤があって、自分の助けになる木のそばで、
その木の根っこに自分の根っこへぴったんこ。
根があるのに自分で水分・養分を取らない木なので
やや乾燥気味のあまり条件の良くない
急斜面地などに生育し、
栄養状態の悪い環境だからこその戦略なのかも?
ツクバネって、かな~りユニークな生き方。
花は、雌雄異株で5月初めごろにつける。
アルバムからひとつかみ。。。
雄花はいたって目立たない花だった↓
緊急事態宣言発令中のGWの休園していたが、
ハイキングの人は通り抜けできたので、
ハンカチノキの花を確認しに行った時に撮影。
雌花は。。。
これまた目立ち見つけにくのですが。。。ありました↓
これが花?なの?という感じですが。。。
葉状の苞がツクバネを特徴づける実を彷彿させる。
花というには葉っぱと同じ色でよく見ないと、
同化してしまい分かりにくいことこの上ない。
今の時期のツクバネの実のつけ根には雌花の名残りが。。。
ツクバネの名前の由来がお分かりになった方は、
きっとお正月に羽子板で遊んだことがある方だと思います。
この実は羽子板の羽根そのものの形で、
羽根を衝くことから「ツクバネ」と呼ばれています。
ツクバネ○○とつく植物といえば、
ツクバネウツギやツクバネソウなどいくつかあって
そのいずれもその実が羽根つきの羽根に似ているのが名の由来。
植物の名前はその花や実、
葉などが何かに似ているところから由来する場合がしばしばある。
この植物はだれが見てもこの名前に納得するでしょう。
ツクバネの実はまさに羽根そのもの。
漢字でかくと衝羽根で「ツクバネ」とつく植物の本家本元だ。
羽根つきの羽根に似ているというけど、
もともとこの実を手でついて遊んだのが、
羽根つきのはじめという説もあるみたい。。。
う~ん
どっち??
羽根突きが先か?
ツクバネが先か?
卵が先か 鶏が先か?の世界にはまりそうなので、やめとこう。
私の小さい頃は、
女の子には綺麗な押絵の羽子板を持っていたものだ。
最近はしなくなったけど。。。
正月遊びの羽根つきに関係するこの実を見たら、
よいお正月を迎えることができるかもね。
・・・知らんけど・・・
ただこの実自体が羽根つきに使われるわけではなく、
あの羽根はムクロジの黒い種子に鳥の羽をつけたもの。
ツクバネには、ハゴノキ(羽子の木)、
コギノコ(胡鬼の子)の別名がある。
古くは、羽子板は「胡鬼板・コギイタ」、
ツクバネは「胡鬼の子・コギノコ」と呼ばれていた。
「胡鬼・コギ」とはなんじゃいな?。。。
「唐土(とうど)の鬼」
=「エビス(異郷)からやってくる邪気(邪鬼)」をいうが、
つまり羽子板とは「唐土の鬼払い」
邪気をはらう、厄除け・厄払いの儀礼に使われた。
常陸の国(茨城県)筑波山の伝説に、
「伊邪那岐尊・イザナギノミコト」と
「伊耶那美尊・イザナミノミコト」の夫婦神は、
「日神」と「月神」の二人の子供のために、
筑波山に自生する「ツクバネ」の実を採り、
これを掌で打ち上げて遊ぶことを教えたとあり、
これが羽根つきの起源ともいう。
俳諧では、
「衝羽根」「つくばね」
「 胡鬼の子」「羽子の木」は秋の季語。
すっかり葉を落とし 秋色の実になると
もっと絵になるのだけど・・
ツクバネの実は初冬まで落ちないのだとか。
形からわかるように、
この実は風によって散布される実。
熟してもすぐには落ちないそうで、
強い木枯らしが吹く厳冬期に、
強い風が吹いた時に風にのって
回転しながら上へ舞い上がり、
親木から離れた場所に飛んでいく。
あっ! もしかして?
羽根突きをしようとしたとき
ツクバネの実が くるくる回転しながら飛んでった
で、羽根突きの羽根に~
な~んて。。。
ツクバネの魅力
この端整でシンメトリックな形は、
愛らしくかつ神秘的にて、神のみが創り得る造形美であり、
永遠の芸術だ。。。
神が与えてくれたご褒美の贈り物。。。
半寄生であり、栽培の困難さは、
自然を甘く見ないようにとの深いメッセージかもしれない。
いやいや、気になり始めると頭から離れず、
調べるほどに新たな興味が湧いてくる魅力的な植物。
これもツクバネの不思議な力なのかも知れませんね。
さて。。。
今日は、工作の師匠と準備を進めてきた工作で六甲山へ。
この連休は、たまたま重なった工作三昧だ。
何事も無く、スムーズに終了できますように。
いやいや、ついつい長くなりました。。。
最後までお付き合いいただき
ありがとうございますm(__)m