読みました。と言っても、精読というより拾い読みですが、なかなかおもしろい本でした。
けっして軽くはなく、“脚で稼いだ”実証的な研究になっています。相当なフィールドワークを重ねないとこうはならないと思いました。
気になるのはやっぱり長野県ですが、いくつかランダムにご紹介します。
多い順にならべると
小林、田中、中村、丸山、伊藤、佐藤、清水、高橋、宮沢、柳沢 と続きます。
「小さな林」を意味する小林は、日本各地にありますが、東日本の小林は長野県を中心に広がっています。
田中、中村は西日本に多い名前で東西交流の様子がうかがえます。
百瀬、宮坂 という名字も長野県らしい名字。百瀬は長野県が三分の二だそうです。
花岡、山浦、牛山、両角、春原は独特の名字なんだとか。結構周りにいるので、ごく普通だと思ってました。春原は全国的には「はるはら」だそうですが、こちらではふつう「すのはら」ですよね。「しゅんのはら」から転じたものらしいです。
征矢野(そやの)という名字は深志小笠原氏にルーツがあり、松本市や木曽郡日義村に多いとか。
井上は信濃源氏に関係があり、須坂市に井上という地名がありますが、水汲み場の井の上に住んでいる人という意味。
そして長野県の最大の特徴は「沢」のつく名字が多いことだそうです。山がちな地形と関係があるのでしょう。
小学校の授業にも使えそうな話題ですね。