『13歳からの「気持ちを伝える言葉」事典』と同時に、こちらも購入してしまいました。年末年始で読み終えたいなと思って。われながら、ほんと好きだなぁと呆れてしまいます…。

出版されたのが2019年の9月とまだ新しく、ネット上では書評もみあたらないため、詳しめにレビューしてみます。(まだすべて読み終えたわけではありませんけど…。)

『中学受験国語 記述問題の徹底攻略』

著者 若杉 朋哉
1975年生まれ
県立浦和高校→慶應義塾大学文学部
記述問題対策に特化した中学受験国語専門塾「若杉国語塾」代表


エール出版社
2019年9月20日初版第1刷
1500円+税

第1章 記述問題の準備編
1. 本文主義
2. 短く分けて考える
3. 解答のルール
 ①主語・述語・目的語の分かりやすい
  文にする
 ②指示語・比喩・わかりにくい表現は
  言い換える
4. 傍線部のルール
 ①傍線部はいくつかの部分に
  分けて考える
 ②傍線部内の言葉と同じ言葉
      (似た言葉)に注目する
 ③傍線部内の指示語・比喩・
  わかりにくい表現は言い換える
 ④傍線部に省略された述語・
  述語・目的語を補う


第2章 記述問題・パターン別の書き方
記述パターン① 言い換え問題
記述パターン② 理由問題
記述パターン③ まとめ問題
記述パターン④ 気持ち問題


第1章と第2章は、ドラえもんとのび太を主人公とした短めの例文を使って、記述問題に取り組む際におさえておくべきルールを説いています。

先生と生徒の1対1の問答形式の会話で書かれているので分かりやすく、授業に参加しているような感覚です。


第3章 練習問題編
1 論説文    2017芝中・改
2 論説文 2018武蔵中・改
3 論説文 2015芝中・改
4 論説文 2017栄光学園・改
5 随筆  2016開成中・改
6 随筆  2018灘中・改
7 随筆  2017ラ・サール中・改
8 物語文 2016栄光学園・改
9 物語文 2017芝・改
10 物語文 2015筑駒中・改
11 物語文 2017麻布中・改
12 詩 2015筑駒中・改
13 詩 2014開成中・改

手にとってみて驚いたのですが、全体ページ数の4分の3が練習問題13題から成っています。
第3章は、練習問題とその解説を通して、ルールの適用方法を学んでいきます。良問を出すと評判の高い学校の過去問から例題がとられています。芝、武蔵、栄光学園、開成中、麻布、筑駒といった学校が選ばれているあたり、さすがのセレクションです。安心できます。しかも、近年の出題から豊富に練習問題が構成されているのもありがたいポイントですね。


息子に「これ読んでみな」と与えるのではなく、横について一緒に考えたり、模試の解き直しをする際の先導役としてどんなヒントや示唆を与えながら正答に導いていくべきか方法論を習得する良い材料になりそうです。買って良かったです。

とりわけ思いを強くしたのは、国語力は言い換える力で決まるな、ということ。「言い換える前」のことばは本文中に与えられているわけなので、「言い換えた後」の語彙のライブラリー(とくに感情語)を強化しておく勉強法が最強だと確信しました。