戦後20年 | せかいあちこちたびだより

戦後20年

どうも!
旅を始めて7ヵ月。いい加減ユミエとも話すことがなくなってきました。
そもそも友達歴20数年、お互い知らないこともそんなになく、スタートから倦怠期気味ではあったのですが。
ちなみに昨日一番盛り上がった話題は、蚊に刺された後の皮膚の腫れ方についてでした。
会話の所要時間約3分。そんなもんです。




さてさて。

ニカラグアといえば内戦の国、というのがわたしの中にあったイメージ。
アメリカの傀儡だった政府に対して、真の独立を求めて立ち上がったFSNL(サンディニスタ民族解放戦線)。
最後の激しい内戦があったのが1970年代後半から。
つまりこの国では私達と同じ世代以上の人達はみんな戦争を経験しているのです。

激戦区だったのはFSNLの拠点があった西部の街々。
レオン・エステリという、未だにFSNLがオフィスを構える2つの町に行ってきました。
どちらも戦争の傷跡があからさまな様子は無く、
人々も他の町と変わらず明るく人なつっこい。
が。
あちこちにFNSLのシンボルカラー・赤黒二色の旗が掲げられ、
電柱や壁もこの色にペイントされている。のを見ると、
やっぱりここが激戦地であっただろうことは想像できる。
どちらの町にも革命英雄記念館なるものがあり、
そこには革命に命を捧げた人々のポートレイトがかざられてある。
写真に写っているのは青年ばかりではない。
まだ10才位にしかみえない少年
制服を着ていれば今その辺を歩いていてもおかしくないような少女
この全員が反・アメリカのイデオロギーを胸に戦い、死んでいった。
それもたった20年前の話。
私が日本で鬼ごっこやらママチャリレースに夢中だったころ。
この国では同じ年の少年が銃を持って戦っていた。
遠い世界の遠い話と思っていたけど、ここに来てみると、かざられた写真1枚1枚が強烈な何かを伝えようとしてくるように感じられる。
世界にはまだまだ知らなきゃいけないことが沢山あるなあと思う。


そんなことを思いながらニカラグア最後の夜、近くの酒場でビールを飲み、
流れで隣に座っていたニカラグア人青年2人となにかの弾みで会話を交わし、
一緒に飲もう!ということに。
全部の国で全部の酒を飲む、ということをこの旅の目標に掲げている私ですが、
この国でまだ飲んでいなかったラム、名前をFLOR DE CAÑA。
訳すと´´さとうきびの華``。
なんて響きのいい名前!
なかなか手に入りにくいんだけど、この青年達がササっと入手してくれて。
とことん人の好い彼らとこの´´さとうきびの華``を飲みながら、夜はふけていくのでした。

最後の最後までいい印象をあたえてくれたニカラグアの人々。
背負っている過去の暗さを理解できるほど長くはいられなかったけど、
心優しく穏やかなこの国の人達がずっと幸せに暮らせますように。