ボクは幼少期、父のことを「うそつき」と呼んでいた

でも、とってもやさしくて、おもしろかった

野毛の場外馬券、たばこの煙、怒号と罵声のとと飛び交う喫茶店

よく、「内緒だぞ」と言って不二家のパフェを食べさせてくれた

オヤジのあぐらの上に座って、予想の邪魔をしていたっけ

土曜の夜、夜更かしさせてくれた

オヤジの淹れてくれたコーヒーは世界一うまかった

 

ボクの少年期、父のことを「うそつき」と罵った

仕事で生活費まで使い込んでいた

おふくろは、毎日泣いていた

陰では偽善者とボクは罵った

 

青年期のボクには、父はうっとおしかった

仕事のことやらなんやら

口汚く叱られた記憶しかない

家族を不幸に陥れたあなたを呪った

 

最近の父は、ボクの子らをやさしく見守ってくれているお地蔵さんのよう

いつもにこにこして、決して怒らない

ボクが子どもを叱ると「まあ、いいじゃないか」とたしなめる

冬になるとスタッドレスタイヤの交換のことばかり気にしている

ボクの家族のことをとても気にしている

最近は杖を突いている

犬の散歩がなくなって、足が衰えたようだ

元気な父をあと何年みられるのだろうか・・・

 

ボクはあとどのくらい親孝行できるだろうか

 

親父殿、まだまだ元気でいてください

 

 

 

ほしいもの、たくさん
やりたいこと、たくさん
すてるもの、たくさん
やらなければいけないこと、たくさん
 
めぐりめぐって、原点回帰
 
いいたいこともいえずに墓場まで持っていかなければいけないものを抱えて
 
明日は永遠、今日は今日一日、昨日は作り物
 
これがきっとボクの人生
ボクは自分に正直なのだろうか。
やりたいことをできているのだろうか。
思ったような人生ではないように思う。
小さな鳥かごで逼塞しながら生きているのかもしれない。
大空を飛んでいる自由の象徴にあこがれているだけかもしれない。
小さな水槽で脅えながら生きているのかもしれない。
大海を泳ぐ自由の象徴を羨ましがっているのかもしれない。
 
人生ってなんだろう。
他人に振り回されるものなのだろうか。
自分の思ったことを抑制するものなのだろうか。
自分自身を開放することなのだろうか。
 
今、ボクはどちらに向いているのだろうか。
北なのか、西なのか。
正義なのか、悪なのか。
創造なのか、破壊なのか。
個なのか、多なのか。
 
ボクはどこへ行くのか・・・