不倫相手はモラシタの部下、中途入社の
女だった。
入社して間もないのに、上司に
馴れ馴れしい口調ができる女だ。
別れたといえ、会社に行けば2人は
毎日顔を合わせる。
仕事以外のプライベートな付き合いは
しないとはいえ、ものすごくいやだ。
会社で、2人がどんな接し方しても
私は見ることができない…。
2人は私が言わなかったら、別れて
いなかっただろうから、よりを戻そうと
いう気持ちが2人にあったら
どうしようと、不安で何度も
モラシタに話をした。
ある日、モラシタは私に
「そうだね、俺が逆でママの立場だったら
同じ職場にいるの嫌だよね。
そりゃそうだ。当たり前だ。
だから、俺転職するよ。
それが俺たち夫婦にとって1番だと思う。
仕事もストレスで、不倫で発散させて
いたところもあるし。
辞めるのがいいと思う。」
そう言った。
私は、不倫がある前に何度も転職の
話をした。理由は待遇も良くないし、
モラシタにとって仕事がストレスに
なっているのがわかっていたから。
けれど、モラシタは転職する勇気が
ないと言ってずっと25年同じ会社にいた。
そんな人が、転職をすると自ら言ってきた。
再構築を迷っている私に、明るい未来が
見えた気がした。
「うん!頑張ってね。焦らずでいいよ。
応援してるよ。」と私は言った。
ところが、、
1月下旬、モラシタからLINE。
モラシタ
「以前一緒に仕事してた人に連絡とって、
その会社で働きたいと言ったんだ。
けど、その会社あまり給料良くなくて
今の半分になるんだ。
その人、是非来て欲しいけど、待遇の
面があるから奥さんに話したほうが
いいよ。って言うから。」
私
「なんか、私の思ってる転職活動と
違うんだけど…。
転職サイトに登録して応募して
面接して、そういう活動した?
そういうのを何ヶ月かやって決まらなくて
知り合いに頼んでとかいうのなら
わかるけど、最初から知り合いに
話を聞いてって何?
ごめん、ちょっと転職を甘く見てない?」
モラシタ
「そうだよね、そういうのやるのが
普通だよね。ごめん、ありがとう。
もう一度、頑張ってみるから。」
2月中旬になり、率先して転職活動を
している姿が見えなかった。
私
「転職活動どうなったの?」
モラシタ
「やっぱり、今の会社もう少し
やろうかと。転職活動やっていない。」
私
「何でいつもそうなの?自分から
言い出して、やめるのやめたなら
相談して。私はパパの言葉に未来を
感じてたのに。
いつもそのば限りの都合の良いこと
言っているよ。
私が言わなかったら、この話も
有耶無耶になかったことになってた
んじゃない。
気持ちの変化は仕方ないにしても、
変化したなら自分から言うのが
誠意と思うんだけど。」
と言った。
私はまた裏切られた気持ちになって、
情緒不安定になった。