毎年、元旦はモラシタの実家に家族で

行くのが恒例となっていた。


モラシタの不倫がわかったときから

年始の挨拶に行くのが嫌だった。

モラシタの実家は、お父さんが

病気で亡くなっていて、お母さんが

ひとり暮らしをしていた。

モラシタ母は、私とは違う環境で育った人で

全く話が合わない。

小学校から超有名お嬢様学校に通っていて、

一度も外で働いたことのない人だ。

お金に一度も困ったことがない。

私が外で働くということを良く思って

いない。

「子供の面倒を見るのは母親の仕事」と

思っているのだ、モラシタ母は。

だから、モラシタがちょっとだけ子供の

面倒をみただけで、

「パパお仕事大変なのに、えらいわね。

仕事で疲れてるのに面倒みて可哀想。」

とか言ってくるのだ。

お兄さんには言わないのに、モラシタに

だけ言ってくる。

モラシタを作り出したのは、この人

なんじゃないかと思っている。


毎回、訪問するたびに

仕事大変なのに、えらいとかいい出すから

不倫わかったコイツのどこがえらいのか…

今回もそう言われるのがわかっていたから

行くのが嫌だった。

モラシタ母には、お兄さんに不倫をいう話

でもないといわれたので言っていなかった。


何度も行きたくないと言ったが、

美味しいお寿司も予約してるから

どうしても行って欲しいと言われて行った。


案の定、モラシタ母はなんもわかって

ないから、

「パパお仕事忙しくて大変じゃない?

無理しないでね音譜音譜音譜音譜」と言ってきた。

ものすごい嫌で、別の部屋に行った。


そして心の中で、叫んだ。

「この人、仕事大変じゃないです。

不倫する時間たっぷりあったみたいです。

家族を裏切って、女に夢中でしたよ。」と。


しばらくお義母さんに会うのを

やめようと決心した。