「社内不倫で処罰された人が

 いるって言ってなかった?

 それなのに何でそんなこと

 してたの?」


モラシタ

 「あんなのとは全然違うから?」


私と息子、呆れて顔を見合わせて

 「何言ってんの?自分たちもじゃん。」


 「それとも自分たちは不倫じゃない

  とでも言うの?自分たちは純愛

  とでも思ってんの?  

  不倫は不倫。大きいも小さいもない。

  悪質とかそういうのは今問題じゃない。

  自分たちは不倫だと思っていないの

  なら、それこそ問題だけど。」


モラシタ

 「不倫に間違いないです。」


 「今、ネットニュースとかでも

  散々不倫について世の中厳しく

  なっているのに、どうして不倫

  なんてバカなことしたの?」


モラシタ

 「自分は家族に必要とされていない

  気がして。」


 「何言ってんの?あなたが勝手に

  そう思っただけでしょう?

  それにもしそう感じたとしたら、

  あなたはそれを改善するよう

  努力した?

  全くしてないよね?

  家事した?保護者会行った?

  それに○○(娘)はあなたの

  ことすごく好きだったと思うよ。

  それわからない?

  もし、○○が結婚して私と

  同じように夫に不倫されたとしたら

  あなたどう思うの?」


モラシタ、顔を床に伏せて泣きだしながら

 「家族がこんなに悲しむと思わなかった。」


私と息子

 「悲しむに決まってんじゃん。

  何言ってんの。」


 「家族が自分を必要としてないから

  と勝手に不倫の言い訳にしてる

  だけだよ。ところでいつからなの?」


モラシタ

 「夏ぐらいかな。」


 「いつ?具体的に。」


モラシタ

 「覚えていない。」

覚えていない。そんなはずはない。

具体的に日付けを知られるのが

都合悪いから言えないのだなと

すぐにわかった。


 「もうすぐ、○○が塾から帰って

  来る。受験前に傷つけたくない。

  ○○には絶対に知られないように

  しよう。」


しばらくすると娘が帰ってきた。

娘をいつもと変わらないように

 「おかえり、お疲れ様」と

息子と迎えたつもりだった。


娘の食事を用意し、私と息子は

ショックのあまり2人で放心状態だった。

2人で散歩に出かけた。

何で??何で??

子供達は思春期で私やモラシタに

反抗的な態度を取ることもあったけれど、

同世代の子達より話したり、出かける

ほうだったと思う。

家族4人、こないだだって外食に

仲良く出かけてたのに。

私も息子も不倫が受け入れられなかった。


散歩から帰って、私は気持ちが

落ちつかない。

不倫を確信した日から夜ほとんど

寝れていない。

とても、1人で寝れる気がしなかった。

そして、私は息子に

 「今日、この部屋で一緒に寝てくれない?」

と言った。

息子はわかったよ、と言って寝てくれた。


長い長い一日だった。

私は一睡もできななかった。


そして、私はこのとき気がつかなかった。

自分の身に起こったことが、あまりに

大きすぎて、娘の様子が目に入ってこなかった。


後々、ショックな事実を知ることと

なる。。