海外で日本の小説が人気なのだと、ネットのニュースで知りました。村上春樹?と思ったら、そうではなく日本の日常を描いていて、癒しや静けさの美学が評価されているのだとか。「コンビニ人間」「BUTTER」などが例として紹介されていました。題名に引かれて「コーヒーが冷めないうちに」を選びました。
都市伝説の喫茶店の特定の席に座ると、過去へ行けると言う物語。でもその席には、いつも幽霊が座っている。その幽霊が一日に一回トイレに行った時だけ座れるが、コーヒーが冷めないうちに飲み干さなければいけないなど、いくつかのルールがありました。
第一話、外国へ行った男性にもう一度会いたい女性。「ルールで過去は変えられません」と言われて席に着いて会います。コーヒーの温度を気にしながら飲み干すと、男性が最後に帰って行く時「3年待ってくれ」と、過去には聞き取れなかった言葉が、、、。
お店の方から「過去も現実も変えられない。でも未来はお客様次第かと」
第四話、身体の弱い女性が妊娠した。生まれた場合、子供も自分もどうなるかわからない。過去に行けるのなら未来へも行けるはず。席の空いた時にコーヒーを頼み、無事に生まれていれば成長している子供に会いに行き「お母さん」と呼んでもらえる。顔中をうれし涙で濡らして現実に戻ってきた女性「生んでよかった」と自信になり、翌年に出産する。
現実は変らなくても、心が変った。「心ひとつで、つらい現実も乗り越えていける」
軽く読めて、読み終わると心がほんわかとするような話でした。どんなお店なのか、古き日本の純喫茶がイメージに浮かびます。「Café」と訳しただけでは、ちょっと違うかな。席に座っている幽霊は「ghost」よりも、透明感のある不思議な存在としての雰囲気が欲しいけど。読んでいて勝手に思い描いたイメージが強いでしょうか。
お店や幽霊の雰囲気を外国語にするとき、どう訳されたのだろうか。
