スタートレックのリブート版映画だな、こりゃ(*´∀`*)面白かった。

映像がウリの評判に負けない出来映え。猿はもう全く違和感なく自然だし、特殊メーキャップ時代ではありえない動きとカメラワークで迫力ある。緑に覆われたかつて人間の文明があった都市を舞台に、アクション活劇がくりひろげられる。お話のテンポもよい秀作。

あ、でも猿は誰が誰かわかりづらかった。ある場面で主人公のノアと対決だー!と思ってみてたら、別の猿だったしな。これは映画が悪いんじゃなくて、特殊メーキャップ時代からそうだし、現実でも、あまりみなれてない人種っては顔判別できんよね(´д`)

オリジナルの1968版へのリスペクトにも触れておきたい。プアアアアという音にビクッとなる人間の群れ。馬に乗った猿がやってきて、草むらを追い立てる。予告でも公開されてたけど、かなり気持ち上がった。単なる再現なら心動かなかったと思うけど、うまいことオリジナルを生かした映像センスはよきかな。音楽がジェリー・ゴールドスミスに寄せてきたってのも感涙もの。でもさー、あえていうと、もっと寄せてもよかったかな。最近のゴジラ映画における伊福部昭ミュージックみたいなんが聴きたかった。まあ、ノスタルジーおじさんの戯れ言ですが。

オリジナルへのアクセスは雑かなあ、と思うところもあるのだけど、旧作ファンは楽しみにしてもいい。そして1968版テイラーの名場面を彷彿とさせる、トンデモなく上がるシーンもあるので、これもお楽しみ。

旧シリーズのファンとして支持か不支持か?と問われれば、もうベクトルが違う。期待したのはカレーだったけど、出てきたラーメンがおいしかったので、まあ満足というところか。

結論をいうと、自分がずっと猿の惑星シリーズに期待している「怪奇性」は仕切り直しとなった今作でも復活しなかった。人間がいつのまにか、猿という存在にとってかわられているという恐怖が、このシリーズのたまらない魅力だと自分は思っている。

しかし本作は猿と人間という絶対に相容れない者同士の対立、そしてなによりアクション冒険活劇としての面白さがある。同じシリーズを源流としていても、ベクトルが違う。自分にとってスタートレックのリブート版映画をみる感じ。期待するポイントをこじらせなければ、楽しめる作品だし、これからも期待したい。

でもなーそうは言っても、今の時代に猿の惑星をやるなら、これぐらい脱臭しないといけないのもわかるのだけど、「怪奇」「不気味」「絶望」をとってしまったら、アバターとか他のシリーズに喰われてしまうでよ。昔とちがって、同じようなテーマのライバル多いしな。


もう一回1968版へのリスペクトを振り返ると、どうやら旧シリーズと新シリーズの間をリンクしてやろうという意志がみえないこともない。つまりは続編では「続・猿の惑星」に出てきた、あんなイカれた連中が出てくるのかも・・という期待もある。最後はハッピーエンドであって欲しい。だけど、やはりその前にトンデモねー絶望をみせて欲しい気持ちもあるけど、はてさてどうなるやら。