1ヶ月前、投稿した文章が今朝の新聞(毎週土曜日だけの発行)に掲載されました。
原文
脳梗塞で倒れた義妹が、先日亡くなった。闘病30年。
コロナウイルスの怖い今、親族だけのお葬式を選びました。
子供一家と親元の私達親子だけ10人足らずのお葬式は今まで経験したことのない
「いいお葬式」でした。私は結婚当初から何10回お葬式に出たか数えきれません。
顔も知らない人のお葬式に出たのは、ただただ義理、昔からのしきたりでした。
今回義妹のお葬式には、今までの私の様なお義理で参加した人はいません。
想いはこもごも静かに見送ったのでした。
長い間の闘病を見て来た私。旦那様の献身はまさに「慈母」でした。
実家の我が家へもよく連れて来てくれました。
もう少し若い頃、マッチョな彼は階段を負んぶしてお世話していました。
今、彼は痩せてヨボヨボ、格好良かった面影は有りません。
見た目はショボくなってしまったけれど心は気高く美しい。
30年もの間、献身的に看病した彼が、棺桶が炉釜に入る直前、
絞り出すように掛けた言葉は、「〇〇ゥ(義妹の名前)~ありがとう」でした。
それは死んだ義妹が夫に掛ける言葉の筈。
看病しながらも彼は幸せだったのかもしれません。
心のこもったお葬式、ご冥福と共に彼の献身に感謝、
これからは自分の為に生きて欲しいと願ったのでした。
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本家の嫁の私は、今まで何十回お葬式に出席したかしれません。
顔も知らない、話したこともない人のお葬式で「顔見てください」と云われ
仕方なし白布をめくって顔を拝みました。
今回の葬儀では、本当に心から冥福を祈るものだけの出席。
理想のお別れの式でした。
ご主人の献身は見事、みんなに話したい。