ディオバン™は2000年11月に発売された、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬です。
すでに2014年6月よりジェネリック医薬品が発売されています。
ディオバン™についてはノバルティスファーマ社の開発担当者が、行ったデータ改ざん事件(ディオバン™事件)が有名です。 これについては最後にで簡単に触れたいと思います。
ヒトの血圧を上昇させる作用が最も強いアンジオテンシン系ですが、
アンジオテンシンⅠ⇒⇒アンジオテンシンⅡ
アンジオテンシン変換酵素により
上の経路を経てアンジオテンシンⅡが受容体に結合して心臓や血管に作用して血圧を上昇させます。
ディオバン™はこのアンジオテンシンⅡと結合して、その働きを抑えることにより血圧を降下させます。
バルサルタンは、分子量435.52の低分子化合物です。
作用機序
内因性昇圧物質のアンジオテンシンIIに対して受容体レベルで競合的に拮抗することにより降圧作用を示します。
臨床試験
1日1回20~160mgを52週間経口投与した際、本剤単独療法、利尿剤併用療法及びCa拮抗薬併用療法のいずれにおいても耐薬性を認めることなく、安定した降圧作用が維持されました。
降圧率
「判定不能」を含む
67.3%(70/104)
「判定不能」を除く
76.9%(70/91)
副作用
市販後の使用成績調査7,258例中、自他覚症状が322例(4.4%)、臨床検査値異常が260例(3.6%)、計550例(7.6%)に副作用が認められました。
主な自他覚症状は、めまい57件(0.8%)、貧血35件(0.5%)、頭痛26件(0.4%)等でした
主な臨床検査値異常は、血中尿酸値上昇39件(0.5%)、γ-GTP上昇37件(0.5%)、BUN上昇34件(0.5%)等でした。
重大な副作用は血管浮腫、肝炎、腎不全、高カリウム血症、ショック、間質性肺炎、低血糖等でした。
製剤
ディオバン™錠20mg
ディオバン™錠40mg
ディオバン™錠80mg
ディオバン™錠160mg
ディオバン™OD錠20mg
ディオバン™OD錠40mg
ディオバン™OD錠80mg
ディオバン™OD錠160mg
バルサルタン錠20mg「メーカー名」
バルサルタン錠40mg「メーカー名」
バルサルタン錠80mg「メーカー名」
バルサルタン錠160mg「メーカー名」
バルサルタンOD錠20mg「メーカー名」
バルサルタンOD錠40mg「メーカー名」
バルサルタンOD錠80mg「メーカー名」
バルサルタンOD錠160mg「メーカー名」
バルサルタンとして40~80mgを1日1回経口投与します。 なお1日160mgまで増量できます。
薬価
ディオバン™錠20mg 27.1円/錠
ディオバン™錠40mg 49.1円/錠
ディオバン™錠80mg 91.2円/錠
ディオバン™錠160mg 178円/錠
ディオバン™OD錠20mg 27.1円/錠
ディオバン™OD錠40mg 49.1円/錠
ディオバン™OD錠80mg 91.2円/錠
ディオバン™OD錠160mg 178円/錠
バルサルタン錠20mg「メーカー名」 9.9円/錠
バルサルタン錠40mg「メーカー名」 12.1~16.6円/錠
バルサルタン錠80mg「メーカー名」 22.1~31.2円/錠
バルサルタン錠160mg「メーカー名」 42.9~54.9円/錠
バルサルタンOD錠20mg「メーカー名」 9.9円/錠
バルサルタンOD錠40mg「メーカー名」 12.1円~16.6円/錠
バルサルタンOD錠80mg「メーカー名」 22.1~31.2円/錠
バルサルタンOD錠160mg「メーカー名」 42.9~54.9円/錠
最後に
ディオバン™事件については私も当時大変驚きました。 マスコミの激しい攻撃にさらされてきた日本の製薬会社が臨床データの改ざんなどを今更するとは、自殺行為だなあと。
現在の臨床試験データなどは不正が起こらないように徹底的に管理されています。 少しでも人為的に手を加えようとすれば、必ずボロがでます。 FDA方式で生データから徹底的に追跡調査されれば、逃れることはまず不可能です。
一体どこの製薬会社かなあと思ったら、なんとノバルティスファーマ社、外資系の会社とは・・・・・・・・!!!!!!!
2重に驚きました。 製薬会社のデータ管理などは欧米から持ち込まれた方式です。 ディオバン™事件の当該社員の経歴をよく知りませんが、時代錯誤も甚だしいの一言に尽きます。