本日紹介します薬はヌーカラ™皮下注で、難治性の気管支喘息治療薬です。
一般名はメポリズマブで、いわゆる抗体医薬です。 2016年3月28日に承認されました。
すでに市販の抗体医薬 その21 キメラ抗体→ヒト化抗体 喘息治療薬 メポリズマブで紹介しました。 参考にして下さい。
このブログで何度も書いていますが、近年の吸入ステロイドの進歩によって喘息はほぼコントロールが可能な病気となりました。
しかし、吸入ステロイド薬でもコントロールできない患者さんには重症度に応じて様々な治療が行われます。
すでに紹介したようにIgEに対する抗体医薬ゾレア™が2012年に発売されています。
市販されている抗体医薬 その21 キメラ抗体からヒト化抗体へ オマリズマブで紹介しています。 参考にしてください。
ヌーカラ™皮下注の作用機序は液性免疫を制御するサイトカインであるインターロイキン-5(IL-5)に対するヒト化抗体です。
したがって、様々なアレルギー症状に効果を示しますが日本では重症の気管支喘息に対する治療薬として認可されています。
臨床試験はステロイド等で治療中の重症喘息患者さんに対して、プラセボ群を対照に二重盲検試験で行われました。
毎月1回新薬100mgまたはプラセボを皮下注し、32週間後に喘息増悪の頻度が評価されました。
なお、喘息増悪とは緊急入院や救急外来受診を必要とする喘息症状の悪化のことです。
その結果はプラセボ群(191人)では1.74/年であったのが新薬100mg群では0.83/年で統計学的に有意な差がみられました。
主な副作用は注射部位反応(8%)、頭痛(5%)、過敏症(2%)ですが、臨床試験中に23%の患者さんに臨床検査値異常がみられました。