花をもらう
別離に 花をもらう

決まりきっていても
単なるセレモニーでも
サプライズになって
滲んでる 薄っすらと

会えないだろう もう二度と
閉じていく扉にむけた 
背中と
沢山の飾られた同じ言葉

手を降る
テンポなく
限りなく手を降る


賑やかが消失して
口を噤んで
笑っているのか
見詰めているのか

オーバースローモーションで
遠ざかる輪の列から
居残り側の投げた紙テープは

未来の尻尾に巻き付くことも
届くこともなく
縺れて失速するばかりで


反対側の名残りは泰然と
無心にモヤイを解きほどき

ハーネスとリードをその場に
未練なく置き去りにして
律儀に一礼した

奮える魂が花を抱え
用意した新緑の歌を唇に浮かべ

真夜中に一閃 鳴いて行く鳥の様に
ふんわりと 覚束なくも
今 解き放たれる