以前の読書記録で書いた横田真由子さんが、最近靴についての新刊を出されたようです。本屋さんで特製ポップが付いていたり平積みになっていたりする前作を見かけて「人気なんだなー。」と思っていたら、ソッコーで新刊出ましたね。
あいにく、私はこの新刊はまだ買っていません。前作についての記事で設定した アクションアイテム(二の腕問題)が解消していないのでね。
さて、読書記録に書いた横田さんの前作の中で、強く印象に残った記述がありました。
「靴ベラを踵部分にあて、足を滑らせるように靴の中に入れると、足の裏全体が地面に着地したように『ジュワッ』と音がするのです。この音が『あなたの足とピッタリ合いました』と知らせてくれるのです。」(Chapter2 - 1 靴について)
靴を履いて「ジュワッ」とする感覚。一年前に通販で買った靴を初めて履いたとき、そんな感じだったことを思い出しました。(その靴は百貨店でよく見かける一般的なブランドのもので、横田さんが勤めていたようなハイブランドではないですが。)
他にも、良い靴がもたらすフィット感や幸福感、ハイヒールのフォルムの美しさについて語られていました。そこで、ハイブランドの靴ってば、私がいつも履いているセールで1万円弱の靴と一体何がどのくらい違うのだろう、という疑問が湧いてきたわけです。
ほいじゃ試しにハイブランドの靴を履いて体験してみよう、となるわけですが、冒険するにはさすがに高い。パンプスにいきなり二ケタ万円をかける勇気はないです。なので、これまた通販で某ハイブランドの中古品を買ってみることにしました。
運の良いことにセール品で、送料込みで樋口さん一人でお釣りのくるパンプスを発見。デザイン自体は落ち着いているのですが、色が赤で、おそらく何年も前に発売されていた古い品物だったため安かったようです。そもそも赤い靴なんて私のキャラクター的に履いたこともないのですが、通常買っている価格帯と比べても安いし、もちろん本革だし、失敗してもまぁ許せる額なので、思い切って買ってみました。
で、届いて履いてみたところ。
「ジュワッ」はなかったです。でも、ぜんぜん靴擦れしませんし、疲れにくいです。それに、ストラップもない・履き込みが深いわけでもないのに、初日一度ももすっぽ抜けなかった! これには感動しました。
ヒールは5〜6cm程度なので思い切った曲線はありませんが、心なしかいつもより脚が綺麗に見える気がします(これは私の目に「ハイブランドだから」フィルターがかかっているせいかも)。
また、「派手かも」と心配した赤い色ですが、実際は光の加減によって橙色〜真紅の間で色合いが大きく変わり(家の電灯下で見たら通販サイトの商品写真と大違いで驚いた)、ほどよいアクセントにはなりますが、悪目立ちしません。今では差し色にするために履くのが楽しみなほどです。
まとめると、アタリの靴でした。
「ジュワッ」というほどのデジタルにわかる差はないですが、すっぽ抜けにくいとか、面白い色合いとか、脚全体のフォルムとかいう言葉では表現しにくい感覚的なところで、ちょっとずつ上質でした。たぶんこのまま上手に履けたら、耐久性についても良さがわかると思います。このちょっとした違い一つひとつに(本来の価格で)1万円ずつかかっていると思えばいいのかも。
そんなわけで、今後靴を買い換えるときは、ハイブランドの中古品も候補に入れようと思います。ただ、そうはいってもいかんせん中古。自分に合ったサイズがいつ出品されるかわからないし、手にとって見られないぶん傷や痛み具合も心配だし、サイトによってはニセモノのリスクもあるので、いくら値段がお手頃でもいつも今回のようにアタリが引けるとは思わないほうがいいでしょうね。
なお、このパンプスを会社に履いていった初日に事件が発生したのですが、長くなるのでそれはまた次の記事で。