勝利の美酒 | 北マリアナ諸島サッカー代表監督の日記

勝利の美酒

昨日、J2の試合を見に行った。

今年元日の天皇杯決勝に残り、今シーズンJ2優勝候補の呼び声が高い京都サンガ。

対する湘南ベルマーレは、大学時代の同級生であるチョウキジェ氏が監督を務めている。



試合開始早々から、京都のシュートパスをつなぐサッカーに対し、湘南はハイプレッシャーをかけてボールを奪う。



「湘南は、これで90分間体力が続くのか?」心配に思っていた。



京都に先制されたすぐあに得点し、1-1で前半を折り返す。

後半も湘南は、相手ボール保持者に対する執拗なプレッシャーを続ける。



体力は落ちない。



ロスタイム、この日何度か決定機をはずしていた菊池選手がスルーパスで相手を抜き去りながらのシュートがネットを揺らす。

ホーム開幕戦ということで、ほぼ満員のスタジアムは歓喜に沸いた。

同時に得点した菊池選手を選手スタッフ全員で祝福する。


北マリアナ諸島サッカー代表監督の日記



試合終了の笛が鳴ると、ベンチでは交替した選手、試合に出なかった選手、監督コーチ達スタッフが抱き合って

喜ぶ。

42試合の1試合が終わったに過ぎないが、まるで優勝したかのような騒ぎっぷりだ。


しかし、この試合は、たかが1/42の試合ではないのだ。



通常どのチームも、シーズンが終了する前から来期の構想に入る。

どの選手と契約をし、契約をしないのか。

誰が監督をし、コーチをするのか。

どのようなサッカーを目指すのか。

そのためにどのような選手が必要なのか。

どこでキャンプをし、どのようにチームを作り上げるのか。

フィジカルのピークをどこに持ってくるのか。

どのチームと練習試合を組むのか。

選手に自信を持たせなければいけないが、過信させてもいけない。

細心の注意を払いながら戦わなければいけないが、大胆さを失わせてはいけない。

試合で起こるであろうさまざまな状況を想定し、全ての可能性に向けて準備をする。



選手もコーチングスタッフもフロントも、逃げられない不安を背負って、開幕戦という、この新しい本の1ページ目をめくるのである。


次の試合がすぐにやってくるぞ。

まだ始まったばかりだぞ。

浮かれていると足元をすくわれるぞ。

当事者達には、自分達を戒める言葉が頭を駆け巡るであろう。



しかし、こんなに気持ちが高ぶる瞬間は、人生の中でそんなにたくさんあるわけではない。



どっぷりこの勝利の喜びに浸ってほしい。



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