カレッジを無事卒業し、本格的に就職活動を始めた。

アメリカでは、カレッジを卒業するとOPTという、一年間限定のワーキングビザが習得できる
目的は、留学生がカレッジで勉強してきた事を実社会で体験する為に期間限定で働く権利を与える事である。

企業側は、もしその学生が優秀であれば正式採用し今度は会社がワーキングビザを支給する。

私の渡米の目的は「留学」ではない。
あくまでもこちらで「仕事で勝負」する事である。

その期間限定Visaを使い、仕事を見つけその会社を通しワーキングビザを習得する、それが初めからのプランである。

OPTはカレッジから移民局に申請を行う。アメリカはお役所と言えども、手続きにどのくらい時間がかかるか全く見えない。

私は、早めに手続きを取っていた為、このOPTを6月に取得した。
これでようやく合法的に働ける。

こちらでは、日本人の留学生が仕事を探すには下記のプロセスがある。
-人材派遣会社に登録し紹介してもらう
-知人からの紹介
-学校にきている求人案内を見て問い合わせ
-新聞、雑誌、インターネット等の求人情報をみて問い合わせ

人材派遣会社に登録し、そこでの紹介、面接、採用というプロセスで仕事を見つける事が一番ポピュラーである。

私は実は卒業前から複数の人材派遣会社には登録しており、すでに就職活動は学生のうちにしていた。もし、仕事が見つかれば別にカレッジを卒業する必要は無いからである。

日本で広告代理店で仕事をしており、こちらでの希望職は「広告、マーケティング」。
当然これまでのキャリアを生かし、そのキャリアで勝負しステップアップが目的であった。

しかし、全ての派遣会社で「広告の求人は無い」と言われた。
そもそもコミュニケーションビジネスにおいて英語でコミュニケーションが十分に出来ないのであれば、難しいとの事である。いかに日本でキャリアがあっても、こちらでの経験はゼロである。

まして、持っているのはワーキングビザでは無く、あくまでも「期間限定の学生が社会経験をする為のビザ」で、一年しか有効でない。

また、タイミングが悪く、その当時は移民局のシステムが変わった為、会社からワーキングビザを申請しても正当な理由なしに却下される事が多かった。
従って採用する企業も既にワーキングビザかグリーンカードを持っていっていない人の採用には前向きではなかった。

そこで、人材派遣会社からは、とにかく業種を選ばずワーキングビザを取ることを第一目的にすべきと言われた。ビザを取得してから転職をすべきという事である。

ここから、苦難の就職活動が始まった。

・・・・つづく