スタージュエリーも受付はなく

地下1階がブライダルジュエリー

で白い可愛い階段で地下に下りた

 

少しショーケースを見ていると

 

「どのようなリングをお探しですか?」

と話しかけられたから

 

「2.5mm以上3mm以下のシンプルな

丸みのあるプラチナのリングを探しています」

 

「具体的に決まっているんですね

今リングをお持ちします

サイズはお分かりになりますか?」

 

「私が10で彼が15です」

 

「少々お待ちください」

 

 

「今まで見たところより

ダイヤのリングが多いし

可愛いのがたくさんあるね」

 

「ブランドイメージ通りだね」

 

 

「お待たせしました

こちらが2.6mmでこちらが2.9mmです」

 

「・・・こっちが2.9mm?」

 

「はい」

 

見た目も着けた感じも

2.9mmの方が細く見えたから

 

「こっちが2.9mm?」

 

「そうです」

 

「そうなんですね・・・

すみません、少し考えますね

ありがとうございました」

 

「ありがとうございます」

 

 

お店を出て

 

「2.9mmの方が細く見えたよね

薄かったからかな?」

 

「ティファニーも細く見えたしね」

 

「太さだけじゃなくて厚みも指輪って大事なんだね」

 

 

ちゃんと指輪を見たのは4店舗だけど

シンプルなプラチナリングなだけに

違いが分かることもたくさんあって

 

 

「フクさん

私はミキモトが良かったけど

どうかな?」

 

「それでいいの?」

 

「カルティエとタサキが見れなかった

からどうしようかと思ったけど

きっと見てもミキモトがいいってなると思う」

 

「野ばらが良ければ俺はいいよ」

 

「指輪も良かったしお店の雰囲気も

良かったし陽子の接客も良かったし

ミキモトの指輪がいい」

 

「うん

俺も指輪もお店も接客も

ミキモトがいいと思ったよ」

 

「良かった

じゃミキモトに買いに行こう」

 

「陽子いるかな?

電話で聞いてみる?」

 

「今日の今日だからいるよ」

 

 

そのままミキモトに向かいエレベーターで

6階ブライダルジュエリー売り場に行くと

佐藤陽子さんがちょうどいて

 

「お帰りなさいませ!」

 

笑顔で出迎えてくれた

 

「先ほどのリングを見たいんですけど」

 

「かしこまりました

只今お席の準備をしますので

少々お待ちください」

 

試着した指輪を見ながら待っていると

 

「お席の準備ができました

ご案内させていただきます」

 

「ありがとうございます」

 

席に座り

 

「先ほどのリングをご用意させて

いただきました

是非お試しください」

 

シンプルなプラチナリングを

着けてフクさんの顔を見ると

小さく頷いて

 

「これでお願いします」

 

「ありがとうございます

では書類の準備をして参ります

刻印は後日とのことでしたが参考に

サンプルがありますのでこちらを

ご覧になってお待ちください

11文字まで入れることが可能です」

 

3種類の刻印サンプルが刻まれた

プレートを差し出された

 

 

「刻印どうする?

入籍日もずいぶん先だし」

 

「ぶっちゃけ俺はどっちでもいいんだよね」

 

「そう言うと思った」

 

「こんな小さな指輪に文字入れたところでどうせ見えないし」

 

「!!!確かに!!

老眼鏡ないと見えない・・・

確認してくださいって言われても

合ってるのどうかも分からないよ」

 

「でも無くしたときに入れてある

方が安心ではあるよね」

 

「フクさんよく無くすからスマホ

の番号を刻印するのがいいかも

連絡くれるように」

 

「住所も入れとこうか

迷子になったときように」

 

「指輪をしてたら安心だね」

 

 

「大変お待たせしました

書類をお持ち致しました」

 

「あ、はい」

 

つづく